2022-05-02 10:00World eye

木星の衛星エウロパ、地表浅部に水存在か 研究

【パリAFP=時事】氷に覆われた表面を縦横に走る線状の隆起を特徴とする木星の衛星エウロパ。この隆起は、地下浅い位置の水の滞留を示すものだとする研究論文が19日、発表された。地球外生命探査への期待が高まる研究結果だという。≪写真は木星の衛星エウロパの表面のカラー画像。米航空宇宙局(NASA≫の木星探査機ガリレオが1990年代に撮影した画像を再加工して構成した。細長い線状の割れ目と隆起部が表面を縦横に走っている)
 エウロパが長年、太陽系内の生命探査の候補として挙がっている理由は、広大な海の存在だ。この海には、生命の基本要素である液体水があると広く考えられている。
 エウロパの海は地下25~30キロに位置すると予想されている。だが、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表された最新の研究によると、従来考えられていたより表面に近いところに水が存在する可能性があるという。
 この発見は、気候変動関連でデンマーク領グリーンランドの氷床を研究していた米スタンフォード大学の地球物理学者チームが偶然もたらした。研究者らは、グリーンランドにあるM字形の氷の隆起線が、より小さい規模ながらも、エウロパの氷殻で最も特徴的な二重稜線(りょうせん)に似ていることに気付いた。
 エウロパの二重稜線を最初に撮影したのは、1990年代の米航空宇宙局(NASA)の木星探査機ガリレオだが、形成の仕組みについてはほとんど明らかになっていなかった。
 研究チームは氷貫通レーダーを用いて、グリーンランドの氷床表面から約30メートル下に滞留する水が再凍結して割れる際、M字形の氷の隆起線が形成されることを発見した。

■「生命発生の可能性」
 エウロパの滞留水は氷殻の下5キロの深さに存在する可能性があるが、さらに地中深くにある海に比べれば、はるかにアクセスしやすいと考えられる。
 論文の筆頭執筆者で、スタンフォード大の電気工学専攻博士課程に在籍するライリー・カルバーグ氏は「こうした滞留水が、氷殻の割れ目を上昇した海水である場合は特に、(エウロパの)海洋に生息する何らかの生命の痕跡が残っている可能性がある」と指摘する。
 また地表のより近くに存在する水に、宇宙空間や他の衛星から飛来する「興味深い化学物質」が含まれれば、「生命が存在している可能性」が高まるだろうと研究チームは述べている。
 2024年に打ち上げ、2030年にエウロパ到着を計画しているNASAの探査機「エウロパ・クリッパー」は、グリーンランドの氷床研究チームと同様の氷貫通レーダー機器を搭載する予定だ。だが、調査はフライバイ(接近飛行)で行う予定で、着陸探査は実施しないため、生命の決定的証拠が見つかる可能性は低い。
 エウロパ・クリッパーのプロジェクトチームは公式サイトで、「もしもエウロパに生命が存在したとしても、地球上の生命の発生とはほぼ完全に無関係だ。(中略)これは銀河系全体、さらにはその先の宇宙においても、生命の発生がかなり容易だという可能性を示唆するだろう」と述べている。【翻訳編集AFPBBNews】

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