円下落、126円台=20年ぶり安値水準―急変「大変問題」・鈴木財務相

13日の東京外国為替市場の円相場は下落し、1ドル=126円台と、ITバブル崩壊後の2002年5月以来約20年ぶりの安値水準となった。15年6月の水準を超えて、13年に日銀の黒田東彦総裁が「異次元金融緩和」を開始して以降の安値を更新した。
黒田総裁が同日午後、東京都内で開かれた信託大会で「現在の強力な緩和を粘り強く続ける」と発言。市場では「円安に対するけん制が弱かった」(国内銀行)と受け止められ、円売り・ドル買いが加速して126円31銭まで円安が進んだ。
鈴木俊一財務相は同日夕の経済財政諮問会議後、記者団に「急激な変化は大変問題だ」と述べ、急速な円安をけん制した。一方、黒田総裁は同会議後、記者団の取材に応じず無言だった。
円安は、自動車メーカーなど輸出産業にとっては国際競争力を高める効果がある一方、エネルギー資源や原材料の輸入依存度が高い日本にとっては、企業収益の圧迫やさまざまな品目の値上がりを通じて家計の負担増につながる。
3月初めまで115円台だった円相場は、約1カ月の間に10円程度下落した。足元の市場では、インフレ懸念が強まっている米国の金融引き締め観測から米長期金利が上昇基調にあり、大規模緩和を続ける日本との金利差拡大が意識され、円安・ドル高の地合いが続いている。
今後について、市場からは「(円相場は)短期的に下がり過ぎている」(先の国内銀行)といったん買い戻しが入るとの声が聞かれた。一方、「一度(節目の)安値水準を突破したことで円売りの動きは加速する」(資産運用会社)との見方も出ている。午後5時現在は126円05~06銭と前日比54銭の円安・ドル高。
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