地銀、ロシア送金停止の動き=大手行は企業と対応協議―国際決済網排除で

米欧日がロシアの一部銀行を世界の銀行決済取引網「国際銀行間通信協会(SWIFT)」から排除する追加制裁を科すと表明したことを受け、日本の大手銀行は取引先企業と今後の対応をめぐる協議を加速させた。地方銀行の一部では、リスクの高いロシア向け送金の引き受けをいったん停止する動きも出てきた。制裁対象の銀行など詳細が不透明な中、邦銀や企業は情報収集に追われた。
SWIFTは銀行間で国際送金・決済を行うためのシステム。排除された銀行とはシステムを活用した貿易決済に伴う送金などの情報のやりとりができなくなり、日本の銀行や企業の取引が制限される恐れがある。
メガバンクは、ロシアの現地法人を通じ、SWIFTを介さずに送金情報をやりとりしたり、制裁対象外の銀行に送金先を切り替えたりして送金を続けることは可能だ。ただ、米国は「最も重要な金融システムからロシアを事実上締め出す」(政府高官)と強調。「制裁の趣旨を踏まえれば、日本の銀行が『抜け穴』とみなされるような取引はできない」(大手行関係者)との声が漏れ、慎重に制裁の影響を見極めたい考えだ。
ある地銀の関係者は「顧客にはロシア向けの送金や取引にリスクがあると説明し、基本的には2月25日から送金を停止している」と明かした。
ロシアへの進出企業も情報収集を急ぐ。米側は除外対象の銀行の選定では、エネルギー関連の取引に配慮する構えを示した。ただ、極東での天然ガス開発事業に投資する三井物産は「対象銀行や例外条項などを精査して対応を検討するが、今は状況を注視している」(広報)と指摘。ロシアに生産・販売拠点を持つ日本の自動車メーカーも「影響を調査中」と声をそろえた。
新たな制裁には、ロシアの中央銀行が日銀など海外の中銀に持つ外貨準備を使って巨額のルーブルを買うといった通貨防衛を封じる手段も盛り込まれる。同月28日の外国為替市場では、ルーブルが対ドルで史上最安値を更新。ロシアとの取引は為替リスクもつきまとう。
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