2月の電力需給、昨冬に続き警戒=暖房増、「脱炭素化」も影響
昨シーズンに続き、今季も電力需給の逼迫(ひっぱく)へ警戒感が強まっている。電力不足の恐れがある地域への融通は既に2回実施。2月はより厳しい見通しで、大手電力は発電所のトラブル回避に全力を挙げる。ただ、脱炭素化の加速で逼迫が構造的問題となる可能性も指摘されている。
電力は需要と供給のバランスが崩れると大規模な停電が発生する恐れがある。安定供給には、需要に対する発電所の出力の余裕を示す「供給予備率」で最低3%が必要とされる。
昨年1月は、火力発電の燃料である液化天然ガス(LNG)の国内在庫量が低下し、発電所がフル稼働できず需給逼迫が相次いだ。このため電力業界は今季、在庫の積み増しや確保に注力。電気事業連合会の池辺和弘会長は今月14日の記者会見で、「(LNGの)在庫は十分と報告を受けている」と強調した。
だが、東京都内に4年ぶりの大雪警報が出た今月6日から7日にかけ、太陽光発電の出力低下などで東京電力ホールディングスが大手電力4社から電力融通を受けた。11日には関西電力が火力発電所のトラブルがあった北陸電力に融通した。
2月は、長期停止中の火力発電所を再稼働させても、厳しい寒さなら東電管内の予備率が3.1%、関西など6エリアは3.9%まで低下する見通し。「発電所のトラブルがあればすぐに逼迫する」(経済産業省)状況だ。
相次ぐ電力逼迫の背景には、暖房需要の増加に加え、天候で出力が変動する太陽光など再生可能エネルギーの普及が一因との見方がある。一方、臨機応変な「たき増し」で出力を補う火力発電所は脱炭素化で廃止が進む。
業界関係者は「電力の逼迫は悪い意味で『冬の風物詩』になる可能性がある」と指摘する。地域間の融通を柔軟にする送電網の強化も計画中だが、国際送電網や再エネの普及で先行する欧州でも天候不順時の電力不足は課題。脱炭素化と安定供給の両立へ中長期的な取り組みが問われている。
[時事通信社]
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