2022-01-20 18:44社会/写真

暗号資産「無断採掘」、無罪確定へ=二審の逆転有罪破棄―最高裁

「コインハイブ」の仕組み
「コインハイブ」の仕組み

 暗号資産(仮想通貨)を獲得する「マイニング(採掘)」のため、自身が運営するウェブサイトに閲覧者のパソコン(PC)を無断で動かすプログラムを設けたとして、不正指令電磁的記録保管罪に問われた諸井聖也被告(34)の判決が20日、最高裁第1小法廷であった。山口厚裁判長は逆転有罪とした二審判決を破棄し、一審判決を支持。無罪が確定する。
 小法廷は、同罪が処罰対象とする不正なプログラムについて、「一般の使用者が認識すべき動作と実際が異なり、PCの社会的機能などを保護する観点から許容し得ないもの」との初判断を示した。PCに与える影響の程度や、利用方法も考慮すべきだとした。
 争われたのは「コインハイブ」(提供終了)と呼ばれるプログラムで、サイト閲覧者のPCの計算能力を勝手に使用してマイニングし、運営者が利益を得る仕組み。コインハイブが不正なプログラムに該当するかが争点だった。
 小法廷は、諸井さんのサイトにはマイニングが行われることを示す表示がなく、一般の閲覧者はコインハイブ作動を認識できなかったと指摘。一方、閲覧者のPCに与える影響は軽微で、サイト運営者が閲覧を通じて利益を得る仕組みは情報の流通のため重要だとし、「社会的に許容し得ないものとは言えず、不正ではない」と結論付けた。 
 一審横浜地裁は2019年3月、捜査機関の事前警告がなかったことなどから無罪とした。これに対し二審東京高裁は20年2月、閲覧者のPCに負荷をかけるのに事前承諾を得ていないとし、罰金10万円とした。
 諸井さんは、17年10~11月に自身のサイトにコインハイブを埋め込んだとして、罰金の略式命令を受けたが、不服として裁判で争った。
 吉田誠治・最高検公判部長の話 主張が認められず遺憾だが、真摯(しんし)に受け止めたい。

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