2021-12-09 13:23World eye

スメル山噴火で破壊された採砂の村 インドネシア

【チュラコボカンAFP=時事】インドネシア・ジャワ島の最高峰スメル山の噴火から3日後。火山に最も近い村は荒れ果て、木々がマッチ棒のように倒れている。≪写真はインドネシア・ルマジャン県で、スメル山噴火の火山灰に覆われたおもちゃ≫
 火口から20キロ足らずに位置するチュラコボカン村では7日、救助隊員が工具や救助犬を使って生存者または遺体を捜していた。シュロぶき屋根ははがれ、トタン板も裂けていた。被害を免れた民家は数少ないようだった。
 砂利採取を仕事としている近くの村に住むマルズキ・スガンダさん(30)は「チュラコボカンの実家は破壊されてしまった」と肩を落とす。「トラウマになった。親戚にチュラコボカンに戻る勇気があるかと聞いたら、みんな『木の下で寝る方がましだ』と答えた」
 ある家では、すべての部屋が屋根の残がいで埋め尽くされていた。破壊されたドアの向こうにつるされた衣服やリュックサックは、火山灰にすっかり覆われていた。
 噴火前、この村には約50世帯が暮らしていた。住民の多くはスメル山の斜面で砂の採取に従事していた。この一帯の火山性堆積物からは砂がよく採れるが、採砂場や周辺の集落は常に噴火の危険にさらされている。
 「採砂場で働けば、安定した収入は得られる。危険なのは承知だが、他に何ができるというのか」とある男性は語った。
 少なくとも34人が死亡し、数千人が避難した被災地を訪れたジョコ・ウィドド大統領は、約2000世帯の移転が必要になる可能性があると述べた。
 だが、採砂に依存している人に選択肢はほとんどない。ある人は「砂山を閉鎖したら政府が私たちを養ってくれるのか? 別の仕事があるのか?」と訴えた。
 一方、スガンダさんにとって今回の噴火は転機となった。「もう一度ここに住めと言われても、そんな勇気はない」。砂を採る仕事に戻ろうかと何度も考えるが、「ここはゴーストタウンになってしまうだろう。誰も戻りたがらない…住むのはとにかく危険だ」と語った。【翻訳編集AFPBBNews】

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