2021-11-30 19:47TOPICS

東電株主訴訟、来年7月判決=提訴9年余で結審―原発事故の旧経営陣責任焦点・東京地裁

東電株主代表訴訟の結審後に記者会見する原告と弁護団=30日午後、東京都千代田区
東電株主代表訴訟の結審後に記者会見する原告と弁護団=30日午後、東京都千代田区

 東京電力福島第1原発事故で、勝俣恒久元会長(81)ら旧経営陣5人が津波対策を怠ったとして、東電へ22兆円を支払うよう求めた株主代表訴訟の口頭弁論が30日、東京地裁(朝倉佳秀裁判長)であり、結審した。判決は来年7月13日に言い渡される。
 提訴から9年以上が経過。国内では過去最高となる請求額で、経営者らの責任が問われた民事訴訟は節目を迎えた。
 この日の弁論では、株主側が改めて5人の過失を指摘。政府機関が福島沖を含む日本海溝沿いでマグニチュード8クラスの大地震が起きる可能性を指摘した「長期評価」に基づき、事故原因となった津波の発生を予測できたとし、浸水対策も可能だったと主張した。
 一方、原子力部門の責任者だった武藤栄元副社長(71)らの代理人弁護士は、事故前に長期評価に基づいた津波対策をせずに土木学会へ検討を依頼したことは合理的だったと反論。事故の予見可能性や注意義務違反はないと訴えた。
 勝俣元会長らの代理人弁護士も、緊急を要する報告は受けておらず、東電社内のリスク管理体制に問題はなかったと強調した。
 閉廷後に記者会見した原告の武藤類子さん=福島県=は「裁判では経営者としていかに会社に損害を与えたかが問題になっているが、その陰で甚大な被害を住民に与えていると分かってほしい」と話した。
 訴訟は2012年3月に起こされた。口頭弁論は60回以上に上り、勝俣元会長ら旧経営陣4人に対する尋問も実施。裁判官が福島第1原発敷地内を視察する現地進行協議も行われた。 

東電株主代表訴訟の結審後に記者会見する原告の武藤類子さん=30日午後、東京都千代田区
東電株主代表訴訟の結審後に記者会見する原告の武藤類子さん=30日午後、東京都千代田区

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