2021-09-18 05:26社会

災害時、LPガス発電に注目=家のボンベ燃料に―長期保存可能、認知に課題

 2018年の北海道地震や19年の房総半島台風など近年頻発する災害による大規模停電に備え、電力を安定供給できるLPガス発電機が注目されている。LPガスはガソリンに比べ長期間の保存が可能で、家屋に設置されたボンベを活用できるなど利点は多いが、発電利用への認知度の低さが普及の課題となっている。
 現在、ポータブル発電機市場はガソリン式が主流だが、ガソリンは約半年で劣化が始まり、点検を怠ると発電機が稼働しないこともある。一方、LPガスは劣化がほとんどなく、発電機の着火性も優れている。日本LPガス協会などによると、全世帯の5割弱がLPガスを利用しており、災害時は器具に損傷がなければ家屋のボンベを発電用の燃料としても活用できる。
 秋田市の障害者就労継続支援施設「One memory」は2016年、ポータブルLPガス発電機1台と約1トンのガスを貯蔵できるタンクを、約400万円かけて設置した。炊事や給湯、照明など非常時の出力なら、1カ月以上は持つ計算だ。
 施設は都市ガス供給区域にあるが、統括管理者の沢田修明さん(72)は「孤立してもタンクから長期間供給できる」と考え導入した。豊富な備蓄は地域住民の安心につながるとして、「被災支援の起点になれる」と力強く語る。
 同発電機の普及を呼び掛ける秋田県LPガス協会の船木和昭専務理事は、ガスボンベを供給会社が配達する点を強調。「パニックにならず、病院など必要な施設に優先供給できる」と災害時の強さを訴える。
 同発電機メーカーの三菱重工メイキエンジン(愛知県)によると、11年の東日本大震災を機に自治体や企業、介護施設などからの注文が年々増加。16年の熊本地震などで避難所の電源供給に利用した人たちからは、「ガスは備蓄しやすく、災害時も即座に対応できた」と評価されたという。
 ただ、こうした災害時の利点が十分に浸透しているとは言えず、同社は「ニーズが高い蓄電池と組み合わせて使うなど、活用提案をしていきたい」としている。 
[時事通信社]

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