2021-09-16 13:20World eye

グリーンピース創設50年 「喜べることはあまりない」事務局長

【アムステルダムAFP=時事】先鋭的な環境活動家の小グループが、国際環境NGOグリーンピースを創設してから半世紀がたった。≪写真はドイツ・ミュンヘンで行われた独国際モーターショー「IAA」に抗議するグリーンピースの活動家≫
 1971年9月15日、グリーンピースは米国がアラスカ沖で行った核実験を阻止するためにカナダ・バンクーバー港から同名の船で出発した。ニュース性のある数々のアクションを通じて、世界的にその名が知れ渡ることとなる環境保護団体の活動はここから始まった。
 この時の試みは警察の介入で中断された。しかしそれ以降、商業捕鯨の中止、化石燃料企業への抗議、有害廃棄物の投棄阻止、南極大陸の保護活動などで功績を挙げてきたと、グリーンピース・インターナショナルのジェニファー・モーガン事務局長は言う。
 ただ、50年の節目を華やかに祝うことはないとモーガン氏は語る。「今、喜べることはあまりない。私たちは気候変動の緊急事態に直面しているのです」
 そして10月に開催される気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)での各国の対応が十分になされないことを「強く懸念」していると述べた。
 「この50年間に私たちが行ってきたことのすべてを今こそ結集して、真に先鋭的で根本的な変化を起こすために使わなければなりません。時間はもうありません」

■世界を変える
 オランダ・アムステルダム郊外の質素なオフィス街にあるグリーンピース・インターナショナル本部。室内にはカラフルなキャンペーンポスターや、2013年にロシア当局の職員に蹴られた船のドアなど、グリーンピースの歴史を物語る品々が飾られている。
 2016年から事務局長を務めるモーガン氏は、グリーンピースの基本理念は設立当初から変わっていないと言い、「グリーンピースは、一人一人がアイデアと少しの希望を持つことで、世界は変えることができるという考えから始まった」と説明する。「50年の間にグリーンピースは本当に奇跡的なことを成し遂げてきたと思う」
 数々の勝利のはざまには悲劇もあった。
 1985年、ニュージーランドのオークランドに停泊していたグリーンピースの活動船「虹の戦士」号がフランス情報機関の工作員によって爆破され、ポルトガル人写真家のフェルナンド・ペレイラ氏が死亡した。
 グリーンピースの活動家たちは毎年、この日のことを忘れずにいる。そして、ブラジル、インドネシア、中国など、活動家がリスクにさらされている国の政府に対しては、特に警戒心を持ち続けている。

■「転機」
 50年でグリーンピースは大きくなった。今では50か国以上で3500人以上のスタッフが活動している。グリーンピースが批判する多国籍企業に匹敵する規模だ。
 気候変動の危機を訴える「絶滅への反逆」のような若い団体も現れているが、モーガン氏はグリーンピースは今も「先鋭性」を失っていないと主張する。
 過去には直接行動で知られたグリーンピースだが、現在は気候変動関連で各国政府や企業を相手取り訴訟を起こすなど他の戦略を取り入れ、また他の環境保護団体や先住民団体との協力も強化しているという。
 モーガン氏は「地球の根本に関わる瞬間」であるCOP26の機会を、各国政府は生かせないのではないかと危惧する。「今、目にしているのは、まるで1980年代に逆行したかのように振る舞う各国政府の姿であり、深く懸念している」
 では、グリーンピースの次の50年には何が待っているのか?
 「目標はグリーンピースが存在しなくなること」と言うモーガン氏。だが、環境保護運動の行く手にはさらに多くの闘いがあるだろうとし、その中でグリーンピースが「希望へと向かう運動の転機」を生み出す助けになれれば、と語った。【翻訳編集AFPBBNews】

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