2021-09-13 15:18国際

五輪休戦、思い届かず=アフガンなど犠牲多数―パラ選手の出国支援

 東京五輪開幕1週間前から東京パラリンピック閉幕1週間後まで約2カ月間にわたる「五輪休戦」の期間が12日、終了した。日本が提案した国連総会決議で世界に呼び掛けられたが、アフガニスタンではイスラム主義組織タリバンが復権して混乱が継続。中東や東欧でも戦火がくすぶった。
 「新型コロナウイルス禍での参加に(選手は)たくさんの障害を乗り越えなければならなかった。世界に平和をもたらすため、同じ強さと連帯を示す必要がある」。グテレス国連事務総長は紛争当事者に対し、五輪休戦の順守を訴えていた。
 一方、アフガンでは米軍撤収を待たずにタリバンが勢力を拡大し、8月15日に首都カブールを制圧。人々が出国を目指す空港付近で過激派組織「イスラム国」(IS)系武装勢力の自爆テロが起き、米兵を含む約180人が死亡した。
 中東でもイランが絡むとみられる攻撃が続き、7月下旬にイスラエル系企業が運航するタンカーにドローンが突っ込んで2人が死亡。イランが支援するイエメンの武装組織フーシ派は、サウジアラビア側へのミサイル発射を繰り返した。
 ウクライナと親ロシア派武装勢力の間や、アゼルバイジャンとアルメニアの戦闘でも死傷者が出た。旧ソ連圏では過去、2008年の北京五輪前にジョージア紛争が勃発。ソチ冬季五輪があった14年には開催国ロシアがウクライナに軍事介入した。
 五輪休戦は、古代オリンピックで開催地との間を安全に往来できるよう戦争を休止した故事にちなむ。今回は紛争に巻き込まれた選手を日本に送り届ける「大作戦」(国際パラリンピック委員会=IPC)が展開された。当初、東京パラリンピックへの参加が絶望視されたアフガン代表選手2人は、オーストラリアなどの支援で出国し、パリ経由で来日した。
 この時出迎えたIPCのパーソンズ会長は、「感極まる瞬間であり、スポーツが重要な役割を本当に果たせることを目の当たりにできたのは素晴らしかった」と振り返った。 
[時事通信社]

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