2021-09-13 12:46World eye

ベネチア映画祭、中絶テーマの仏作品に金獅子賞 女性に脚光

【ベネチアAFP=時事】イタリアで開催されていた第78回ベネチア国際映画祭で11日、最高賞の金獅子賞に、人工妊娠中絶をテーマにした仏作品『Happening(原題)』が選ばれた。主流はジェンダー問題を取り上げた作品だった。≪写真は伊ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞したオードレイ・ディヴァン監督≫
 米テキサス州で人工妊娠中絶を禁止する新法が導入され、メキシコでは最高裁判所が人工妊娠中絶の犯罪化を違憲とする判決を下すなど、中絶をめぐる議論が再燃する中での受賞となった。
 『Happening』は、1960年代のフランスで違法とされていた人工妊娠中絶を繊細ながらも衝撃的に描いた作品。オードレイ・ディヴァン監督は受賞に当たり「怒りと願いを込め、腹、内臓、心臓、頭すべてを注ぎ込んだ」と述べた。
 2021年は女性監督躍進の年となった。銀獅子賞(監督賞)は、西部劇『The Power of the Dog(原題)』のニュージーランドのジェーン・カンピオン監督に決まった。ベネディクト・カンバーバッチが主演を務める。
 脚本賞には、マギー・ギレンホールの監督デビュー作『The Lost Daughter(原題)』が選ばれた。キャリアと、母親であることを両立させる難しさを描いた作品で、アカデミー賞を受賞した英俳優オリヴィア・コールマンが主演を務めている。
 カンピオン監督はセクハラ告発運動「#MeToo(私も)」の映画界への影響に言及し、「空気が変化している」と述べた。
 「まるで女性にとってのベルリンの壁崩壊、アパルトヘイト(人種隔離政策)の終わりのようだ。女性の考え方、発言、行動に新しい感覚が生まれている」
 銀獅子賞(審査員大賞)は、イタリアのパオロ・ソレンティーノ監督の『Hand of God-神の手が触れた日-」が受賞した。イタリア南部ナポリでの少年時代を描いた極めて個人的な作品。主演のフィリッポ・スコッティは、最優秀新人俳優賞に選ばれた。
 映画祭は、アウト・オブ・コンペティション部門出品の『最後の決闘裁判』の上映で幕を閉じた。中世の決闘がテーマだが、女性が不当に扱われていた歴史を鮮明に描いている。マット・デイモンとベン・アフレックが出演。
 アフレックはAFPのインタビューで、「人は誰でも人道的、共感的、誠実になろうとすればフェミニストでなければならないと考えている」と語った。【翻訳編集AFPBBNews】

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