2021-08-13 16:58政治

為替決めるメカニズム変化=大妻女子大の伊藤学長―ニクソン・ショック50年

 大妻女子大学の伊藤正直学長(72)はインタビューで、ニクソン・ショック以降、為替レートを決めるメカニズムが大きく変化したと指摘した。主なやりとりは次の通り。
 ―ニクソン・ショックとは何だったのか。
 主要通貨が変動相場制度に移行した「時代の区切り」とも言えるが、より本質的にはアメリカの圧倒的な経済力をベースに国際経済や社会全体の発展と安定を目指したブレトンウッズ体制の崩壊と捉えるべきだ。体制の終焉(しゅうえん)によって、国境を越えた資本の移動が為替レートを決めるメカニズムとなり、国際金融市場の構造が変わったことが一番大きい。
 ―日本に与えた影響は。
 ニクソン・ショックの前、日本円は国際経済での実力に対して過小評価された状態だったが、政府も産業界も円の切り上げには絶対反対だったため、大混乱に陥った。急激な円高で繊維産業などが受けた打撃は相当大きかった。ただ、全体としてみれば、1980年代半ばまでは産業の合理化が進んだことで欧州に比べて影響は小さく抑えられた。
 ―国際金融市場の構造変化がもたらしたのは。
 国際通貨基金(IMF)の調査では、71年のニクソン・ショックから2008年のリーマン・ショックまでの間に200を超える国で通貨危機が、100を超える国で銀行危機が、60を超える国で国家債務危機が起きた。新たなルールとメカニズムに基づいた国際金融システムをつくるべきだが、その解はまだ出ていない。
 ―通貨をめぐる米中覇権争いで日本はどう対応すべきか。
 ニクソン・ショック後、日本は国際金融の場で積極的・主体的に動くようになったが、バブル崩壊で発言権や国際的地位は低下し、今は対米追随が強まっている。中国を含むアジアとの経済関係の強さを考えれば、もう少し中立的な方向に軸を動かしていくことが経済的な安定維持には必要なのではないか。 
[時事通信社]

最新動画

最新ニュース

写真特集