2021-06-10 21:15政治

銀・証規制緩和、上場企業に限定=情報共有の顧客同意不要―作業部会案

 同一グループの銀行と証券会社による顧客情報の共有を禁じた規制をめぐり、顧客が上場企業の場合に限って大幅に緩和することを盛り込んだ金融審議会(首相の諮問機関)作業部会の報告書案が10日、判明した。規制緩和に当たり、顧客企業に対する銀行の「優越的地位の乱用」への懸念が強かったが、銀行融資以外に株式市場で資金調達できる上場企業には規制を緩和しても悪影響が少ないと判断した。14日の会合で取りまとめる。
 報告書案は、焦点だった顧客情報の共有を制限する「銀証ファイアウオール規制」について、顧客が上場企業であれば、事前同意なしに銀行と証券の情報共有を認めることが柱。銀行側がホームページなどに情報共有すると記載するだけで、同意を得たと見なす。上場企業でも、顧客が情報共有の停止を求めた場合は、銀行側は応じる必要があるとも明記した。
 規制緩和を上場企業に限定した理由について、報告書案は「市場から直接資金調達が可能な上場企業と、それ以外の中堅・中小企業を区別することが重要」と指摘した。中堅・中小の情報共有については、議論を継続する。
 銀行と証券を兼務する役職員が、片方の顧客情報にしかアクセスできなかった規制も「撤廃することが適当」との方針を示した。中堅・中小など非上場企業については、同意取得の手続きを残すが、メールの活用など簡素化を認める。
 一方、顧客に不利益が生じないように、金融庁は監督指針の見直しや法令面の整備を進める。企業からの通報窓口の設置や公正取引委員会などとの連携強化で監視を強める。また、証券会社のみに適用されている顧客情報に基づく有価証券売買の禁止規定を銀行にも広げる。 
[時事通信社]

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