2021-05-01 15:50経済

租税政策強化で活発議論を=浅川ADB総裁インタビュー

 3~5日に年次総会を開くアジア開発銀行(ADB)の浅川雅嗣総裁は1日までにインタビューに応じ、新型コロナウイルス対応で各国の債務(借金)が増加する中、税収増加に向けた租税政策の強化や域内協力などについて議論を活発化させたい考えを示した。主なやりとりは次の通り。
 ―域内経済の状況は。
 2020年のアジア開発途上国の成長率はマイナスになった。(資源など)一次産品価格が低迷し、観光業に影響するなど相当激しいショックが来た。今年は7.3%成長を予想し、U字回復に見えるが、元の水準には戻らない。下方リスクはワクチン接種の遅れや変異ウイルスの大流行だ。中期的には米国の金融政策の正常化で米金利が上昇すれば、途上国の資本市場に相当インパクトがあるので目配りが必要だ。
 ―コロナへのADBの対応は。
 昨年は(融資や無償資金協力などの金額が)316億ドル(約3兆4000億円)と過去最高になり、うち半分がコロナ対応だった。ワクチン調達のため90億ドルの新しい仕組みをつくったが買えるワクチンが少ない。ワクチン生産能力を増強するような支援も考えている。
 ―力を入れていきたいテーマは。
 教育、保健分野への融資を増やし、持続的な成長に貢献していきたい。グローバリゼーションを補強する地域協力の枠組み強化も必要になる。また、これだけ債務残高が増えると税収を増やす必要がある。アジアのGDP(国内総生産)比の税収は低い。租税政策を変え、税収を増やし、対外借り入れを減らす方向にかじを切る余地は大きい。この議論と、多国籍企業が経済活動を行った国に適正な税金を支払う国際租税協力の議論を活発化させたい。そのための事務局を今回立ち上げる。
 ―気候変動問題への取り組みは。
 19年から30年までに総額800億ドルの気候変動関連の資金支援をする計画があり、目標を達成しようと努力している。途上国の排出削減目標を強化するための支援や化石燃料依存を減らす技術導入支援なども行っていく。 
[時事通信社]

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