2021-04-21 18:21国際

文政権、対日行き詰まり=慰安婦、徴用工でジレンマ

 【ソウル時事】韓国の元慰安婦が日本政府に損害賠償を求めた訴訟の判決で、ソウル中央地裁は賠償を命じた1月の判決とは異なる司法判断を下し、訴えを却下した。対日関係の立て直しを進めたい文在寅大統領は、却下判決を肯定的に受け止めているとみられるが、日韓関係の厳しい局面は変わっておらず、行き詰まったままだ。
 1月の判決では日本政府が強く反発し、韓国に抗議。文氏も主権免除を認めず賠償を命じたことに「困惑した」と否定的な見解を表明していた。文政権はバイデン米政権の圧力を受け、対日関係改善に動こうとしているが、今回敗訴した原告の元慰安婦らは文政権への要求を強めるとみられ、政権のジレンマは深まりそうだ。
 今回の判決は、慰安婦問題について「被害回復は外交交渉などの努力でなされるべきだ」と指摘。ただ「2015年の合意で最終的に解決済み」とする日本側は、合意を骨抜きにした文政権への不信感が強い。文氏は1月に「政府間の公式合意だ」と確認したものの、鄭義溶外相は「日本は一貫して自らの主張だけして、交渉にならない」と日本側の態度を批判するなど、双方の立場は平行線をたどっている。
 日韓の最大の懸案である元徴用工問題でも、賠償を命じられた日本企業の韓国内資産に対する裁判所の売却命令がいつ出されてもおかしくない状況だが、文氏は現金化阻止のための「具体的な行動」を見せていない。残り任期1年余りとなり、支持率が急落するなどレームダック(死に体)化が進む文政権が対日姿勢を軟化させる余地は一層狭まっており、関係改善は遠のきつつある。 
[時事通信社]

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