2021-04-17 07:30政治

菅外交、したたかさを=日米会談

 菅義偉首相とバイデン米大統領が、日米同盟の固い絆を再確認した。念頭にあるのは軍事・経済両面で台頭する中国への対処だ。同盟を結び付ける普遍的価値として首相が挙げた「自由、民主主義、人権、法の支配」の原則を守りつつ、米国と覇権を争う中国といかに平和的に向き合っていくか。菅外交はしたたかさを求められている。
 バイデン政権は中国を、国際システムに重大な挑戦をする「唯一の競争相手」と捉える。沖縄県・尖閣諸島周辺で中国の威圧的行為にさらされる日本にとって、日米同盟の抑止力は頼みの綱だ。日米双方の利害は一致するが、地政学的な立場はもとより同一ではない。菅政権が知恵を試されるのが、台湾情勢と人権問題への対応だ。
 台湾海峡では中国が軍事的な威嚇を繰り返し、米国と衝突するシナリオも現実味を帯びる。台湾有事の恐れが高まれば、米国にとって日本の軍事拠点としての価値は飛躍的に重みを増す。日本が集団的自衛権行使に踏み切るかどうか、国論を二分する重大な選択を迫られるような事態は、何としても避けなければならない。
 人権問題では中国の施政下にある香港、新疆ウイグル自治区だけでなく、ミャンマー情勢への対応でも、米欧各国と比べて制裁に慎重な日本の立ち位置が浮き彫りになった。今後、米側から旗幟(きし)を鮮明にするよう迫られる可能性もある。人権侵害には毅然(きぜん)と対処しながら、日本独自の路線に理解を得る必要がある。
 日米の結束を保ちつつ、中国との深刻な対立を回避するのは至難のわざだ。だが、同盟重視は対米追従ではない。米中のはざまで生き抜く「細い道」を見いだす努力は、まだ始まったばかりだ。 
[時事通信社]

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