2021-02-19 19:43社会

国の責任認定、原告逆転勝訴=「対策取れば事故至らず」―原発避難者訴訟・東京高裁

 東京電力福島第1原発事故で、千葉県に避難した住民43人が国と東電に計約19億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が19日、東京高裁であった。白井幸夫裁判長は「対策を取れば事故に至らなかった。国の規制権限不行使は違法」と述べ、国に東電と同等の責任があると認定。東電に計約2億7800万円の賠償を命じ、控訴審での請求額に応じ、このうち約1億3500万円は国も連帯して支払うべきだとした。
 一審千葉地裁は国の責任を認めておらず、原告の逆転勝訴となった。国が被告となった避難者訴訟の高裁判決は3件目。国の責任を認める判断は、昨年9月の仙台高裁に続き2件目となる。
 白井裁判長は、2002年に地震調査研究推進本部が巨大津波を発生させる地震の可能性を指摘した「長期評価」について、「相応の科学的信頼性のある知見」と指摘。長期評価の見解に基づけば、国は15メートル以上の津波の危険性を認識できたとした。
 その上で、防潮堤や原発の重要機器を浸水させない水密化など事前対策は可能で、国は想定すべきだったと判断。「対策が講じられれば、津波の影響は相当程度軽減され、事故と同様の全電源喪失には至らなかった」と結論付け、事故の結果回避可能性について仙台高裁判決よりも踏み込んだ認定をした。
 また、避難者が帰還するかどうかの意思決定を迫られることや、元の居住地での生活を諦めることなども精神的損害に当たると判断。慰謝料とは別に賠償すべきだとの考えを示した。
 千葉地裁は17年9月、東電に約3億7600万円の賠償を命じる一方、国への請求は退けた。
 原子力規制委員会の話 国の主張が認められなかったと考えている。事故を踏まえ、適切な規制を行っていきたい。
 東京電力の話 判決内容を精査し、対応を検討する。 
[時事通信社]

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