コロナ情報、多言語で発信=震災で設立、ネット放送局―神戸
阪神大震災から17日で26年。震災をきっかけに生まれた神戸市長田区のインターネット放送局が、新型コロナウイルスに関する多言語発信に力を入れている。震災では日本語が不自由な外国人が情報を得られず、必要な支援を受けられないこともあった。「同じ思いをさせてはいけない」。外国人住民らは体験を糧に、行政の発表やニュースを母国語で伝えている。
「感染リスクが高まる『五つの場面』に注意しよう」。昨年11月、ネット放送局「FMわぃわぃ」のスタジオで、日系ペルー人の大城ロクサナさん(53)=同市須磨区=がカメラに向かい、スペイン語で呼び掛けた。
FMわぃわぃは1995年、阪神大震災で被災した外国人に向け、生活情報を発信するラジオ局として設立。2016年にネット放送に移行し、スペインや韓国・朝鮮、ベトナム、タガログなど多言語・多文化の番組を配信している。
91年に来日した日系3世の大城さんは週1回、スペイン語番組を担当。毎回約2000人の視聴者に、防災やビザに関する情報のほか、日系人の医師と電話をつないで新型コロナの最新状況などを伝えている。
原点は阪神大震災の被災体験にある。海岸近くの自宅で強い揺れを感じ、外に出ると「ツナミ」という言葉が耳に入った。「日本語が分からず、津波が来るとパニックになった。どこに逃げていいか分からず、ずっと泣いていた」と振り返る。11年の東京電力福島第1原発事故でも同胞が混乱するのを目にし、母国語の情報の重要性を感じたという。
「緊急事態宣言とは何か」「給付金はどうすればもらえるのか」。新型コロナの流行以降、番組には日系人らから問い合わせが相次ぐ。大城さんはスペイン語で解説し、相談窓口なども伝えてきた。「コロナも災害と同じで、外国人は弱い立場に置かれる。行政もホームページなどで多言語発信しているが、情報量が少なく更新も遅い。母国語の情報がないとどれだけ困るか分かるから、これからも発信を続ける」と笑顔で話した。
[時事通信社]
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