半藤一利さん死去、90歳=ノンフィクション作家、「日本のいちばん長い日」
昭和史に関する研究で知られたノンフィクション作家の半藤一利(はんどう・かずとし)さんが12日正午ごろ、老衰のため東京都世田谷区の自宅で死去した。90歳だった。葬儀は故人の遺志により家族葬で行われる。
東京都生まれ。1945年3月の東京大空襲の戦火をくぐり抜けた。戦後、東京大を経て文芸春秋に入社し、作家の坂口安吾や元海軍記者の伊藤正徳らとの出会いをきっかけに戦史を研究するように。「文芸春秋」63年8月号に、自ら司会を務めた戦争当事者による座談会を掲載。さらに取材を加え、65年に単行本「日本のいちばん長い日 運命の八月十五日」として刊行、2度映画化されるなど大きな話題を呼んだ。
同社では週刊文春、文芸春秋編集長や専務取締役を歴任し、95年に退社後は作家へ転身。「歴史探偵」として近代以降の日本の歴史をテーマに執筆を続け、多くのテレビ番組にも出演した。98年、親交のあった司馬遼太郎の思いを受け継いで書いた「ノモンハンの夏」で山本七平賞を受賞。2006年に毎日出版文化賞特別賞を受賞した「昭和史 1926―1945」「昭和史 戦後篇 1945―1989」はベストセラーに。憲法9条や平和の大切さも次世代に訴えた。15年には「昭和史の当事者に直接取材し、常に『戦争の真実』を追究、数々の優れた歴史ノンフィクションによって読者を啓蒙(けいもう)してきた」として、菊池寛賞を受けた。
妻の末利子さんは夏目漱石の長女筆子さんの四女で、半藤さんも漱石に関連する随筆を多く手掛け、1993年には「漱石先生ぞな、もし」で新田次郎文学賞を受賞した。
[時事通信社]
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