2020-11-20 23:26政治

新型コロナ感染急拡大で厳しい判断=菅首相の「顔」なお見えず

 新型コロナウイルスに関する政府分科会が「Go To キャンペーン」見直しの提言をまとめた。菅義偉首相は経済への影響を考慮して強い感染防止措置に慎重だったが、全国的な感染急拡大を受け、厳しい判断を迫られている。一方、21日からの3連休を前にして首相が記者会見で国民にメッセージを発することはなく、首相の「顔」が見えない状況が続く。
 「早晩、公衆衛生体制、医療提供体制が逼迫(ひっぱく)する可能性が高い」。分科会の尾身茂会長は20日の会合後にこう語り、現状への強い危機感を示した。西村康稔経済再生担当相は記者会見で、分科会提言について「早急に対応を検討する」と応ぜざるを得なかった。
 20日の新規感染者は全国で最多を更新。3日連続で2000人を超え、感染者増加に歯止めがかかっていない状況だ。専門家は「爆発的感染」の可能性に言及しはじめている。
 これに対し菅政権は、16日に政府対策本部を開いたが、飲食店支援策「Go To イート」について「5人以上は対象外」と人数制限を設けるなどにとどまり、一連の「Go To」キャンペーンの見直しまでは踏み込まなかった。その後、同本部会合は開催されていない。
 首相肝煎りのキャンペーンは、今や政権内で感染防止との両立を目指す経済再生に欠かせないとの位置付けだ。見直しに踏み切れば、観光業や飲食業などへの打撃となるだけでなく、キャンペーン続行が感染を広げたとの批判を受けかねないとの懸念は強い。
 それだけに政権は「感染者数は想定内の数字」(政府高官)などと強気の立場を崩さず、首相は20日も会見を行わなかった。周辺は「会見は相当なことがあるときだ」とし、緊急事態宣言の再発令などの局面までは動かないと語る。だがその結果、首相自ら国民に理解を求める姿勢からは遠ざかる。
 前面に出ない首相が経済への影響阻止にこだわり感染防止措置に二の足を踏むことで、国民に危機意識が浸透せず「コロナ慣れ」を招いているとの指摘もある。政府対策本部は21日に5日ぶりに開催される。首相がこれ以上の感染拡大を食い止める具体的な道筋を示さなければ批判が強まる可能性もある。 
[時事通信社]

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