2020-08-01 15:43国際

対中強硬姿勢、競い合い=米大統領選の争点に浮上―トランプ、バイデン両陣営

 【ワシントン時事】11月の米大統領選で、対中政策が争点に浮上している。トランプ米大統領は「中国たたき」を再選戦略に掲げ、ウイグル問題での中国高官に対する制裁や香港への優遇措置の廃止など強硬姿勢を誇示し、民主党候補指名を固めたバイデン前副大統領を「中国に甘い」と非難。バイデン陣営は、同盟軽視のトランプ政権下で「米国の中国に対する立場は弱体化した」と応戦し、強硬姿勢の競い合いの様相を呈している。
 ◇「新冷戦」あおる
 トランプ政権は7月に入り、ウイグル族弾圧をめぐる中国共産党幹部への制裁、中国による南シナ海の領有権の主張否定、香港に認めてきた優遇措置の廃止などを相次いで打ち出した。さらにポンペオ国務長官は演説で、中国の習近平国家主席を「全体主義の信奉者」と批判。「新冷戦」をあおるかのように、中国とのイデオロギー対決に踏み込んだ。
 一連の「中国たたき」は、新型コロナウイルスへの対応の遅れや景気後退から有権者の目をそらすトランプ氏の選挙戦略の一環と見なされている。中国に働き掛けて民主化や国際協調路線への転換を期待する「関与政策」を取ってきたオバマ前政権の副大統領だったバイデン氏を、「弱腰」と印象付ける狙いもある。
 ◇同盟軸に圧力
 これに対し、バイデン陣営は「トランプ政権下でこそ、中国に対する米国の立場は弱まった」と反論する。外交アドバイザーのブリンケン元国務副長官は講演で、トランプ氏の政策は同盟国との関係を弱め、「中国の利益追求を手助けしてきた」と指摘。「バイデン政権が立て直す必要がある」と強調した。
 バイデン陣営は、トランプ氏が「米国第一」を掲げて同盟関係を軽視してきたことや、外交実績として執心する中国との貿易合意への影響を考慮し、ウイグル族弾圧などの人権問題批判をトランプ氏自らが口にしない点を追及。同盟国とともに対中圧力を強化し、人権侵害での中国批判を強めていく考えだ。
 ◇対決の構図不変か
 バイデン氏は1月に発表した外交論文で、気候変動や不拡散、国際公衆衛生など利害が一致する問題では「中国と協調を模索したい」という意向も示している。だが、対中政策が争点化した選挙戦を通じて強硬姿勢を押し出し続ければ、これらの問題での連携が困難になる恐れもある。
 ニューヨーク・タイムズ紙は、世論調査でトランプ氏の劣勢が伝えられる中、政権内のタカ派は強硬策を繰り出していくことで、選挙結果にかかわらず対中政策の「後戻りできない転換」を図ろうとしていると指摘する。トランプ氏が敗北したとしても、現在の米中対決の構図は大枠で変わらない可能性がある。 
[時事通信社]

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