2020-07-11 16:49国際

モスク化でトルコに非難続々=世界遺産アヤソフィア、登録抹消も

 【パリ時事】トルコのエルドアン大統領は10日、イスタンブールの世界遺産アヤソフィアについて、モスク(イスラム礼拝所)として運用する方針を発表した。これに対し国際社会からは非難する声が相次ぎ、国連教育科学文化機関(ユネスコ)は、次回の世界遺産委員会で保護状態を審査すると表明。登録が抹消される可能性もある。
 アヤソフィアは、6世紀にビザンツ帝国がギリシャ正教の総本山として建立。15世紀にオスマン帝国の支配下でモスクに改装され、1930年代に無宗教の博物館に変更された。キリスト教会とモスクの特徴を併せ持ち、「異文化共存の象徴」と見なされてきた。
 ロイター通信によると、隣国ギリシャの首相府は10日、「トルコの決定を最も強い言葉で非難する」との声明を発表。「トルコにとってギリシャだけでなく、欧州連合(EU)との関係にも影響を及ぼす」と批判した。
 米国務省のオルタガス報道官は「失望している」と表明。タス通信によると、ロシアのコサチョフ上院外交委員長はフェイスブックに「トルコは今後、国際社会から宗教バランスの妨害者と見なされ、地域での重要な役割を失う。残念だ」と投稿した。
 ユネスコのアズレ事務局長も声明で、「事前協議がない決定で非常に遺憾だ」とし、「アヤソフィアの博物館としての地位は遺産の普遍的な性質を反映し、対話の強力な象徴だ」と強調した。
 ユネスコは、トルコの決定がアヤソフィアの「普遍的価値」に影響を与える恐れがあると指摘。ユネスコとの事前協議なしに遺産の構造などを変更した場合、世界遺産条約に違反する可能性があると警告した。 
[時事通信社]

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