2020-07-11 23:31国際

香港、民主派が「予備選」=「国安法違反」懸念も―投票所に市民の列

 【香港時事】香港民主派は11日、9月に控えた立法会(議会)選挙に向けた「予備選挙」の投票を開始した。候補者を絞り込むことで民主派同士の票の奪い合いを防ぐ狙いだ。予備選には約50人が立候補し、主催者側によると11日夜までに約23万人が投票した。12日夜まで実施し、13日にも結果を公表する見込み。
 立法会はこれまで常に親中派が多数を占めており、選挙の仕組み自体も民主派には不利なものだ。民主派は今回、中国が制定した「香港国家安全維持法」への反発をばねに、議案の決定権を握る過半数議席の獲得を目指している。
 予備選は2014年の民主派による大規模デモ「雨傘運動」発起人の戴耀廷氏らが主導しており、著名活動家の黄之鋒氏も出馬。各地に約250の投票所を設け、市民に参加を呼び掛けている。
 一方、香港政府は高官が「予備選は国安法に違反している可能性がある」と発言するなど、民主派へのけん制を強めている。香港メディアによると、警察当局は10日夜、予備選の投票システム開発を請け負った世論調査機関へ家宅捜索を実施。主催者側の準備に影響し、投票開始が3時間遅れた。捜査は予備選とは無関係と報じられているが、戴氏らは「政権側の脅しだ」と批判した。
 予備選で候補者が確定しても、選挙管理委員会が立候補を認めない可能性がある。民主派を支持するある女性は「たとえ民主派が過半数を得ても、政府は国安法を使って議員資格を剥奪できる」と指摘した。
 予備選の効果を疑問視する声はあるものの、11日午後には多くの投票所前に市民の列ができた。九竜地区の投票所に来た男性(32)は「市民が声を上げていると政府に示す行為自体が重要だ」と投票の意義を語る。娘と投票に訪れた女性(45)は「無意味だと言う人もいるが、投票権を持っている以上挑戦はできる。諦めたらチャンスはなくなってしまう」と話した。 
[時事通信社]

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