2020-07-11 14:12国際

与党、圧勝逃す=世代交代に課題―シンガポール総選挙

 【シンガポール時事】10日に実施されたシンガポール総選挙で、1965年の独立から一貫して単独政権を担ってきた与党・人民行動党(PAP)が勝利した。ただ、得票率は急落して過去最低水準に落ち込み、目指した「圧勝」には及ばなかった。一党支配で国家発展を強権で導いてきたPAPの求心力に陰りが見られ、予定される次世代指導層への交代に課題を残した。
 開票結果によると、PAPは定数93の89%に相当する83議席を獲得。PAPの占有率が9割を割り込んだのは初めてだった。政党の人気度を示す得票率は前回の2015年選挙時の70%から61%に急落し、11年に記録した過去最低(60%)に近かった。
 新型コロナウイルス流行で国内経済が過去最悪の不況に直面する中、PAPは「国民の雇用維持」を最優先の公約に掲げた。危機克服には経験豊富なPAPの下、国民が団結することが重要だとアピールしたが、十分浸透しなかったようだ。
 一方、労働者党は4議席増の10議席と、野党として過去最多の議席数に伸長した。野党勢は、競争・能力主義を重視したPAP体制で取り残された低賃金労働者ら社会弱者の救済を主張。議会で活発な議論ができないPAPの一党支配を問題視し、「野党が一掃される恐れがある」(民主党幹部)と訴え、一部有権者の共感を得た。
 リー・シェンロン首相は結果判明後に記者会見し、野党の議席拡大の一因として「(若者を中心に)議会の多様性を求める声があった」と認めた。
 68歳のリー首相は70歳までに退任して後任にバトンを渡す意向を示しており、今回の選挙はヘン・スイキャット副首相ら次世代リーダーへの「信任投票」と位置付けられていた。PAPは勝利したものの、求心力低下の兆しが見られ、若手への世代交代に不安を残す内容となった。 
[時事通信社]

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