2020-07-10 18:23国際

米中制裁合戦、過熱の様相=「核心的利益」譲らぬ習政権

 【北京時事】トランプ米政権が中国に制裁を科し中国が報復する両国の応酬が貿易問題以外に波及、過熱する様相を見せている。米側がターゲットとする問題は新疆ウイグル自治区や香港など中国にとって領土・主権が関わる「核心的利益」に当たり、習近平政権は一切妥協しない姿勢を固持。「新冷戦」とも呼ばれる両国関係は「国交樹立以来最も深刻な挑戦」(王毅外相)に直面している。
 米政府は9日、少数民族ウイグル族の人権侵害に関わったとして、自治区トップの陳全国・共産党委書記らを米国内資産凍結などの制裁対象に指定した。中国外務省の趙立堅副報道局長は10日の記者会見で「ウイグル問題で言動が悪質な米国の機関・個人に同等の措置を取ることを決定した」と発表。米側に制裁指定の「即時撤回」を要求し、「中国は必ず断固反撃する」と警告した。
 米側は、100万人以上のウイグル族が自治区の「強制収容所」で拘束されていると批判。6月には弾圧に加担する中国当局者に制裁を科す「ウイグル人権法」がトランプ大統領の署名で成立し、中国外務省は「対抗措置」を予告していた。
 同自治区では2017年まで大規模騒乱や爆発事件などが相次ぎ、「テロ」とみなす共産党・政府はウイグル族の取り締まりを徹底。収容所を「再教育施設」と正当化し、欧米諸国の非難はウイグルの分離独立運動に加勢する「内政干渉」として耳を貸さない姿勢だ。
 香港をめぐっても、米国などが民主派を支えていると判断した習政権は「外国勢力と結託して国の安全に危害を与える行為」を処罰する香港国家安全維持法を制定。これに先立ちポンペオ米国務長官は、香港の「高度な自治」の侵害に関わった中国人へのビザ(査証)制限措置を発表したが、中国外務省も対抗して「香港問題で言動が悪質な米国人」のビザ制限を決めた。
 中国は「言動が悪質な米国人」のリストを公表していないが、共産党機関紙・人民日報系の環球時報英語版は6月末、ポンペオ氏やスティルウェル国務次官補(東アジア・太平洋担当)が含まれるという専門家の指摘を伝えた。 
[時事通信社]

最新ニュース

写真特集

最新動画