2020-07-09 18:50国際

豪、香港との引き渡し条約停止=1万人に滞在許可延長

 【シドニー時事】オーストラリア政府は9日、香港との間で結ぶ犯罪人引き渡し条約を停止すると発表した。中国が香港統制の強化に向けて「国家安全維持法」を施行したことで「一国二制度」が形骸化する事態を懸念。同じ措置はカナダも3日に発表しており、維持法に対抗する動きが国際的に広がっている。
 豪州は9日に香港への渡航情報も更新。「身柄拘束のリスクが高まっている」として、居住する豪州人に対して帰国などを検討するよう呼び掛けた。モリソン首相は記者会見し「(維持法によって)状況は根本的に変わった」と強調。条約停止を香港と中国の当局に伝えたと述べた。
 豪政府は併せて、学生や期間限定労働のビザを持って既に豪州に住む約1万人の香港市民に対し、これから少なくとも5年間滞在できるよう許可期間の延長を認める。今後ビザを申請する香港市民を含め、将来的な豪州永住への道も開く。国際企業に対しても、香港に置く地域拠点を豪州に移転するよう誘致に取り組む方針だ。
 豪州は4月、新型コロナウイルスの発生源に関する国際的な調査を要求。これに反発した中国は、豪産食肉と大麦の輸入に対して事実上の制裁措置を発動するなどし、両国関係は悪化した。豪州の今回の措置を受けて関係が一段と険悪化するのは必至の情勢だ。
 中国外務省の趙立堅副報道局長は9日の記者会見で、豪州の一連の措置について「中国の内政に干渉するもので、強烈に非難する。さらに反応する権利を留保する」と対抗措置を示唆した。 
[時事通信社]

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