2020-05-22 11:26World eye

圧力を避けつつ食べたい…都市封鎖と断食月が重なり悩む若者 チュニジア

【ニコシアAFP=時事】ベッドの下や山積みの服の後ろがお菓子の隠し場所──保守的なイスラム教徒の親とロックダウン(都市封鎖)を過ごしているチュニジアの若者は、イスラム教の断食月「ラマダン」をさまざまな方法でやり過ごそうとしている。≪写真はチュニジアの首都チュニスの中央市場の買い物客≫
 信仰をめぐる世代間のずれは新しいものではない。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するための厳格な移動制限とラマダンが重なった今年は、いつもとは異なる様相を呈している。
 ラマダンに対する社会的圧力を避けつつ日中に飲食をしたいと考えるチュニジア人のためのフェイスブックグループ「ファター(断食破りの略)」には、約1万2000人のメンバーがいる。
 例えば、「隠した食べ物を、どうやって両親に見つからないように食べればいいか?」と一人が聞くと回答が寄せられる。中には「シャワーを浴びながら」「若い女性なら、生理中だということにする」という想像力豊かなものもあった。イスラム教では、生理中の女性に対し、日の出から日没までの断食を免除している。
 チュニジアの首都チュニス在住の学生で、ファターのメンバーでもあるザハラさん(23)は、以前は生理を言い訳にして隠れて食事をしていたが、母親はだまされなかった。
 「私はもうムスリムではないと母に伝えたが、母は今も知らんぷりで過ごしている」と話すザハラさんは、2年前に断食をやめた。
 革命後に制定された憲法は信教の自由を保証しており、ラマダン中に公の場で飲食することを禁じる明確な法律はない。
 しかしラマダンのたびに警察は「良識に反する」としたり、数十年前の指令を引き合いに出したりして、日中に飲食する人を逮捕している。

■近年は圧力の弱まりも
 イメンさん(26)は、断食には「世代間のずれ」があると話す。普段チュニスで一人暮らしているが、ラマダン中は沿岸部の町ナブールで家族と過ごしている。
 イメンさんは断食をやめたことを「打ち明けたい」が、「ロックダウン中でみんなとてもストレスがたまっている」。「(断食をやめたことは)母を傷つけると思う。父は知っているけど、そのことは話さない」と話す。
 チュニジア人はおおむね寛容だが、「ラマダンは特別な期間で、人を断ずる権利を得たような気分になる」とイメンさんは付け加えた。「若者は従来とは違う考え方をしているけど、メディアはそれを反映していない」
 社会的圧力は近年、弱まっていると感じている人もいる。
 「父は私が食べていることを知っていたけど、柔軟なので笑ってくれた」とアゼルさん(36)は話す。同僚の前でも普段通りに食べるが、ここ数年は「批判的な目」で見られることが少なくなったと感じるという。
 ファターの創設者、アブドゥルカリム・ベンアブダッラーさんもこれに同意する。
 ラマダン期間に日中食事を取ることは「以前よりも社会的タブーではなくなった」が、それでも断食をしない人の多くは「家族を尊重しており、家で食事をすることはできない」と指摘した。【翻訳編集AFPBBNews】

最新ニュース

写真特集

最新動画