2020-04-09 16:06World eye

【解説】新型コロナの集中治療─ICUにまつわるQ&A

【パリAFP=時事】新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)により、ボリス・ジョンソン英首相を含む多くの患者に集中治療室(ICU)での対応が必要になっている。ICUでは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症患者に対して呼吸の補助を行う場合が多い。≪写真は資料写真≫
 以下、入室する患者や行われる治療など、ICUにまつわる実情をまとめた。

Q:ICUに入室するのはどのような患者ですか
 生命維持治療は、新型コロナウイルスに肺が侵される結果として重度の呼吸不全に陥っている患者のために確保されている。ICUに入室するかどうかは、症状の深刻さと、空き病床の有無によって決まる。
 イタリアでは集中治療が必要な感染確認患者の割合が、3月は全体の12%と推計された。
 統計データによると、感染の集団発生が起きている国では重症患者の大半が男性であることがこれまでに示されている。4月3日までにICUに入室した英国の患者2621人のデータでは、全体の73%が男性で、平均年齢は60歳となっている。
 こうした状況について、英オックスフォード大学小児科学部のフィリップ・グルダー教授(免疫学)は、心臓疾患、慢性肺疾患、がんなどの既存の疾患の度合いに影響する喫煙などのライフスタイル因子や社会的因子なども関係している可能性があるとしている。

Q:ICUではCOVID-19患者に対してどのような治療が行われるのですか
 集中治療の指針は、心臓、肺、腎臓などの重要臓器が危機に直面しており、即時および継続的な支援を必要とする患者を助けることだ。
 COVID-19患者の場合は肺に問題が生じるため、十分な酸素を体に取り込むことが困難になり、その結果として身体機能が急速に低下するケースが多い。
 仏東部の都市アヌシーで集中治療を統括するアルブリス・ルブラ医師は、仏週刊誌ルポワンに対し、こうした身体機能の低下が「発症から8日~10日後に、しばしばわずか数時間の間に急速に起こる可能性がある」と説明している。
 最初の段階では鼻の管を通して患者に酸素を送り、次の段階に進行すると加圧酸素マスクを使用する。それでも効果がなければ、医療従事者は人工呼吸器に頼ることになる。人工呼吸器を使用するには、鎮静剤で患者を十分に落ち着かせる必要がある。
 その上で、肺に直接酸素を送り込むための管を気管に挿入し、機械によって患者の呼吸を実質的に引き継ぐことになる。気管挿管は重要な医療処置の一つで、数週間にわたって続けられる場合もある。

Q:ICU患者の予後はどうなっていますか
 英国の統計では、ICUに入室する患者全体のおよそ半数が命を落としていることが示唆されている。特に高齢の患者や他の基礎疾患がある患者でその傾向が見られるという。
 データによると、ICUに入室した患者で命を落とすのは、70歳以上では68%、50歳~69歳では46%、16歳~49歳では23%となっている。【翻訳編集AFPBBNews】

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