2020-03-30 19:20政治

現金給付、具体性欠く=安倍首相に気兼ねか、金額・対象「政府一任」―自民提言

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて政府が策定中の追加経済対策に向けた自民党の提言は、焦点の現金給付について、具体的な金額・支給対象範囲を明示しなかった。政府が打ち出しやすいよう、岸田文雄政調会長が安倍晋三首相に配慮したとの見方も出ており、党内からは踏み込み不足との不満も漏れる。
 提言は次期衆院選も意識し、追加経済対策の規模に関し、リーマン・ショック時を上回る「財政措置20兆円」とするよう要求。このうち、消費税率5%引き下げと同額の約10兆円以上を、現金給付・助成金、クーポン、ポイント発行などを組み合わせて支給すると提案した。
 ただ、関心を集めている現金の給付金額は明記せず、「日々の生活の支えとなる大胆な給付を継続的に実施」とするにとどめた。
 対象者についても「所得が大きく減少し、日常生活に支障を来している世帯・個人」とあいまいな表現に終始し、どこで線引きするかは示さなかった。公明党が「一人10万円の現金給付」を党提言に盛り込むのとは対照的だ。
 経済対策をめぐり、岸田氏は今月に入り、首相官邸で2回、東京都内のホテルで1回の計3回、首相と一対一で意見交換している。一連の会談が岸田氏の提言取りまとめの判断に影響を与えた可能性がある。
 提言が具体性に欠けた背景について、岸田氏周辺は「実際に政府が出す数字と党の意見がずれると困る」と解説する。「岸田氏が首相に花を持たせようとしたのだろう」(中堅議員)と見る向きもある。
 提言を取りまとめた30日の自民党会合では、現金給付について出席者から「一人20万円ずつ配るべきだ」「対象者は絞るべきでない」といった意見が続出。一律給付などを求めていた声が提言に反映されていないことへの不満もにじんだ。
 参院幹部は「政府とずれてもいいから思い切った提言をしてほしかった」と語った。 
[時事通信社]

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