2020-03-26 12:55World eye

新型コロナ予防の手洗い、数百万人の手に届かないぜいたく イエメン

【ハッジャAFP=時事】新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるための手洗いは今や日常的な光景となったが、内戦で荒廃し清潔な水が非常に乏しいイエメンでは数百万人の人々にとって手が届かないぜいたくな行為だ。≪写真は資料写真≫
 イエメンの崩壊した医療体制の下で新型コロナウイルス感染者は今のところ確認されていない。だが、長年にわたる内戦で、国連が世界最悪の人道危機と呼ぶ状態に陥っているこの国にパンデミック(世界的な大流行)が及べば、その影響は計り知れない。
 イエメンは2017年、世界最悪のコレラ禍に見舞われた。国際NGOオックスファムは、新型コロナウイルスの脅威も重なり、今年の雨季が非常に厳しいものとなり得るとの見方を示している。
 イエメンでは、政府軍とイランの支援を受ける反政府武装組織フーシ派との間で戦闘が続いており、政府を支援するサウジアラビア主導の連合軍がイエメンに軍事介入してから5年がたつ。現在、人口3000万人の約80%が支援を必要としている。
 緊急医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」は、多くのイエメン人は清潔な水やせっけんさえ手に入らないと懸念する。
 MSFがイエメン、イラク、ヨルダンで展開するプロジェクトの責任者、キャロリン・セガン氏はAFPに対し、「われわれは非常に心配している」「手洗いを彼らに推奨することはできるが、手を洗う手段が何もなかったらどうするのか?」と語った。
 国連児童基金(ユニセフ)によると、子ども920万人を含む1800万人近くが、安全な水を安定して手に入れることができずにいる。水道水を利用できるのは人口のわずか3分の1ほどだ。
 同国では現在、健康医療センターの半数ほどしか機能しておらず、機能しているところでも医薬品や医療機器、人員の不足が深刻だ。
 医療がこのような状態の中、長年アラビア半島の最貧国であるイエメンに新型ウイルスが到達すれば「大惨事」になり得ると、MSFは指摘する。
 赤十字国際委員会イエメン代表部は22日、「頻繁な手洗いは、コロナウイルス感染予防の最も効果的な方法だが、安全な水を手に入れることができないイエメン国民の半数以上はどうすればいいのか」とツイッターに投稿した。【翻訳編集AFPBBNews】

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