2020-03-25 16:03国際

死者急増で「全国封鎖」=英政府、危機感強める―新型コロナ

 【ロンドン時事】イタリアやスペインを襲った新型コロナウイルスが、海を隔てた英国でも猛威をふるい始めた。島国だけに、当初は楽観論も漂っていたが、今や死者数は400人を超え、欧州で4番目に多い状況となった。政府は危機感を強め、外出禁止やレストラン・商店の臨時閉店を発令し、「全国封鎖」(英メディア)に踏み切った。事態の悪化に歯止めをかけようと懸命だ。
 「あなた方は家に居なければならない」。ジョンソン首相は23日夜のテレビ演説で、感染拡大を抑えるため、今後3週間にわたって国民の外出を制限すると宣言した。
 背景は死者数の急増だ。演説までの数日間、英国では連日約40~60人の感染者が死亡。演説翌日の政府発表では、感染者数が累計8000人超、死者は1日だけで87人に達した。このままでは、そう遠くない将来に「集中治療用のベッドも、医師も看護師も不足する」(ジョンソン首相)という医療崩壊のシナリオが現実味を帯びてくる。
 一方で、外出禁止令には例外が設けられ、最低限の必需品の買い出しや、1日1回の運動、在宅勤務が不可能な場合の通勤などは認められた。これが災いしてか、運行本数を減らした首都ロンドンの地下鉄では早朝に通勤ラッシュが発生。過密状態の車内での感染を恐れた医療関係者らが乗車を見合わせるケースなどが伝えられている。
 また、24日のロンドンは青空が広がる好天に恵まれたこともあり、西部の公園では多くの近隣住民が散歩に訪れた。新型ウイルスという脅威の受け止め方には、国民と政府の間でまだ温度差がある。このため政府は、感染拡大防止を最優先に、さらなる市民生活や経済活動の規制強化もいとわない構えだ。 
[時事通信社]

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