2020-03-25 12:50World eye

非日常の中の希望 新型コロナ外出制限下で暮らす欧州の人々

【ローマAFP=時事】欧州各国は新型コロナウイルス感染拡大策として外出制限措置を講じており、数億人もの人が突如として第2次世界大戦以来最大の変化を日常生活で強いられている。パニック映画さながらの人けが消えた街で、家に閉じこもって退屈な生活と孤立と闘いながら気力を保つことが多くの人にとっての課題となっている。≪写真はスペインで自宅のベランダで演奏する人々≫
 それでも人々は苦難にもめげず創造性を発揮している。どのような生活を送るにせよ、コツは外界とのつながりを維持することにあるようだ。

■イタリア・ローマ
 ローマのトラステベレ地区で隠居生活を送るカルラ・バサーニ(86)さんは、日課をつくって毎日の孤独な生活を乗り切っている。
 「外出できないので家の中で体操をして、1日に少なくとも5回は水を飲むようにしている。忘れないように、台所に水を入れたグラスを5杯並べている」とバサーニさんはAFPに話した。「ワインは大好きだけど、ほんの少しだけ」
 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で欧州の中心地となっているイタリアは22日、新たな規制を導入。外出する際は、仕事、食料品の買い物、または健康上の問題など重大な理由があることを証明する書類に記入して申告しなければならない。違反した場合、3か月の禁錮刑か206ユーロ(約2万4000円)の罰金が科される可能性がある。
 バサーニさんは自宅にほぼ24時間閉じこもっている。「おいしい料理」を作り、「読書をして、ソファやベッドに時々横になって居眠り」して過ごしているという。

■スペイン・マドリード
 医学生パウラ・ペレスさん(19)は、母親と一緒にマドリードのアパートに住んでいる。50平方メートルほどのこのアパートの住民たちは毎晩、あることを日課にしている。午後8時になると医療従事者たちに拍手を送り、それぞれの窓から住民同士が会話するのだ。ペレスさんは拍手を初めて聞いたときは「とても感動した」と話す。
 スペインでも厳重な外出禁止令が出されており、自宅で仕事ができない場合や、薬や食料の購入、近場での犬の散歩に限って外出が許されている。
 普段は込み合うマドリード市内の通りは、今は人けがない。代わりに市民はバルコニーから音楽を演奏するか、近所の人とビンゴパーティーを開いて窓越しに大きな声で数字を読み上げている。

■フランス・パリ
 パリ在住、30代のフリーのドキュメンタリーディレクター、バチスト・サウードさんは、「一番大変なのは社会生活が送れないこと」だと話す。
 普段なら、夜はスポーツをしたり友人に会ったりしている。しかし外出制限となって以来、同じく家に閉じこもっている友人たちとスカイプ越しに「アペロ(夕食前に家族や友人と軽食やおしゃべりを楽しむ習慣)」をして過ごすようになった。
 フランス政府も先週、イタリアとスペイン同様に外出制限措置を導入した。ちょっとした「運動」のための外出なら許されるが、違反者には135ユーロ(約1万6000円)の罰金が科される。
 サウードさんは、近所の高齢者に電話をかけておしゃべりもしている。そのうちの一人、オディールさん(84)はピアノのリモートレッスンを受けており、サウードさんは音階練習の録音を手伝っている。

■イギリス・ロンドン
 ロンドン南東部に拠点を置く作曲家のベン・モラレス・フロストさんは、自主隔離措置を利用して、「ロックダウン(都市封鎖)・オーケストラ」と名付けられた音楽の世界的なプロジェクトを主導している。
 英国政府は23日、国民の外出を3週間にわたり原則禁止する封鎖措置を命じた。「必須ではない」店舗とサービスは閉鎖され、3人以上の集会は禁じられる。
 フロストさんは、世界の自宅にこもっている音楽家に呼び掛け、自身が最近書き上げた曲を共演するために6大陸で500人の音楽家を集めた。フルサイズのオーケストラが七つは編成できる人数だ。
 音楽家たちは各自で撮影した短い動画をフロストさんに送り、それをフロストさんがリモートのチームと一緒に編集し、27日に動画配信サイト「ユーチューブ」でバーチャルコンサートを配信する予定。
 「こんなおかしなことになるとは…こうした事態になるなんて思ってもみなかった」とフロストさんは語った。【翻訳編集AFPBBNews】

最新ニュース

写真特集

最新動画