2020-02-14 09:24World eye

防護服の使い回しも…疲弊する医師ら、新型コロナウイルスとの闘い 中国

【北京AFP=時事】新型コロナウイルスとの闘いの最前線に立つ中国の医師らが疲弊している。毎日増え続ける患者の治療に当たる中、マスクや防護服など防護装備は著しく不足しており、自らも感染する危険に常にさらされている。≪写真は中国武漢の病院で、ゴーグルを身に着ける医師≫
 新型コロナウイルスの発生地で流行の中心地である武漢では1週間に数千人単位で新たな患者が増えており、医療従事者は人員が不足し疲れ果てている。
 医師の多くは、適切なマスクや防護服を着用せずに患者の治療に当たらなければならない状況だ。防護服やマスクは定期的に取り換えなければならないが、同じものを使い回さざるを得ない事態も起きている。
 武漢市内のクリニックで働くある医師は、自分と少なくとも16人の同僚の医師が、肺感染症やせきなど新型コロナウイルスに似た症状を示していると明かした。「医師として、自分が感染源になっている状態で働きたくはない」。この医師は報復を恐れ、匿名で取材に応じた。
 だが、発熱していない医療従事者は全員働くことになっており、しかも「今のところ、私たちの代わりはいない」と話す。「最前線で働く人がいなくなったらどうなるのだろう」
 医療従事者が直面している危険性の深刻さは、重症急性呼吸器症候群(SARS)に似た新型コロナウイルスについて最初に警鐘を鳴らした李文亮医師が、今月7日に死亡したことで浮き彫りになった。
 武漢の副市長は7日、市内では毎日、N95マスク5万6000枚、防護服4万1000着が不足していると述べた。
 医療従事者は防護服を脱がなくて済むように「おむつをはき、水分の摂取を減らし、トイレに行く回数も減らしている」と、中国国家衛生健康委員会の幹部、焦雅輝氏は指摘する。
 隔離病棟では防護服は4時間以内に着替えることになっているが、同じ服を6~9時間も着用し続ける医療従事者も中にはいると焦氏は先週明かした。「もちろん、そのような方法は推奨しないが、医療従事者には他の選択肢が全く残されていない」

■「何もしないよりまし」
 中国政府は、国の総力を挙げてマスクと防護服を増産すると表明している。また1月24日以降、マスク3億枚以上と防護服約390万着を輸入している。
 医師らは新型ウイルスの防護に不適切な間に合わせの防護服を着用せざるを得ない状況だと、米国在住の34歳の中国人女性は話す。この女性は武漢の病院で働く元同級生らに防護装備5000ドル(約55万円)分を寄付した。
 女性の友人の一人は、同じ防護服を5日連続で着ていたという。「友人は毎日、使用後に殺菌していた」「無意味かもしれないが、何もしないよりはましだと言っていた」
 武漢の大病院で働くある女性医師は、当局からメディア対応を禁じられているため匿名で取材に応じ、医療従事者は「疲弊している」と語った。例えばクリニックで働く同僚の一人は、8時間で400人の患者を診察しなければならなかった。医師の多くは「あっという間に死んでしまって、命を守ることができない」患者たちを相手にしている。
 「医師は多くのプレッシャーにさらされている」と話すこの医師の働く病院では、医師らの精神状態を見守るようになっているという。【翻訳編集AFPBBNews】

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