2020-01-19 21:30国際

公務からの引退に前例=エドワード8世退位に類似も―英王室

 【ロンドン時事】主要王族の立場にあるヘンリー英王子夫妻の王室「離脱」は、長い王室の伝統を打ち破る事態で、国内には強い衝撃が走った。しかし前例がないわけではない。1936年、当時の国王エドワード8世は離婚歴のある米国人女性と結婚するため退位を選んだ。王位継承順位第6位のヘンリー王子の公務からの引退は、それ以来の王室をめぐる歴史的事件と受け止められている。
 王子の祖母エリザベス女王の伯父エドワード8世は、父ジョージ5世の死去を受け36年1月に王位を継承した。即位後も交際相手の米国人ウォリス・シンプソン夫人との関係を継続。夫人には離婚歴があったため周囲が結婚に難色を示した。それでも結婚を望むエドワード8世は同年12月に退位した。後に「王冠をかけた恋」として知られる前代未聞の出来事に、当時の社会は大混乱した。
 ヘンリー王子の妻メーガン妃にも離婚歴があることもあり、大衆紙デーリー・メール(電子版)は19日、王子とエドワード8世の写真を並べて掲載し二つの事例の類似点を詳報。サン紙も「メーガン妃は(英国民の反発を招いた)シンプソン夫人から学ぶべきだ」とする専門家の話を伝えた。
 ただ、両者の大きな違いは、エドワード8世が退位後に他の王族と決別して英国を去り、自身の家族とは疎遠なままだったこと。帰国したのは短期間のみで、72年にパリで客死した。
 一方ヘンリー王子は最近、兄ウィリアム王子との関係悪化が伝えられるものの、王室の態度から判断する限り、家族との絆は依然強い。女王は18日の声明で「ヘンリー、メーガン、そしてアーチー(夫妻の長男)はこれからも常に最愛なる私の家族の一員だ」と夫妻を支持する考えを示した。
 母親(ダイアナ元皇太子妃)を交通事故で亡くし、メディアの過度な注目にさらされ続けたヘンリー王子に対しては国民も同情的だ。世論調査では「決断を支持する」との意見が5割近く。夫妻が国民感情を十分踏まえた上で新生活に乗り出せば、大きな反感を呼ぶ可能性は低いとみられる。 
[時事通信社]

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