2019-12-06 09:04World eye

太陽コロナの謎、解明に前進 NASA探査機

【パリAFP=時事】観測史上で太陽に最も近づいた米航空宇宙局(NASA)の無人探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」から、太陽の大気層であるコロナについての驚くべき観測データが届いている。分析結果が4日、発表された。≪写真は太陽へと向かう米航空宇宙局の無人探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」の想像図≫
 2018年8月に打ち上げられた自動車ほどの大きさの太陽探査機は、今後7年にわたり、さまざまな距離と軌道でフライバイ(接近通過)観測を実施し、太陽表面から約600万キロの距離にまで接近する予定だ。この一連の観測を通じて、地球上の電力網に障害をもたらす太陽風や磁気嵐に関する理解が向上することが期待されている。
 太陽の大気層外縁領域であるコロナの謎の一つは、その温度だ。通常は熱源から離れるほど低くなると考えられるが、太陽表面の温度が6000度なのに対し、大気層のコロナは100万度とはるかに高温だ。
 今回、英科学誌ネイチャーに発表された研究論文4件のうちの一件で共同執筆者を務めたフランス国立科学研究センターのアレクシス・ルイヤール氏は、「コロナは何かしらの方法で熱せられている。今回の探査ではこれを可能にしている物理過程を調査する」と述べた。
 米ミシガン大学が発表した研究の概要によると、今回のデータから、太陽磁場の振動がコロナの加熱を引き起こしている可能性があるとする従来の考えへの裏付けが得られることが期待されていたが、実際に届いたデータはそれとはまったく違うものだったという。
 研究論文は、従来の考えを裏付けるデータではなく、それよりはるかに強力な「はぐれ」磁気波が報告されたのだ。この磁気波は磁場の向きを完全に逆転させるほど強力なため、コロナのエネルギー源になっている可能性がある。
 ■「根本的な何かを見逃している」
 今回の分析から得られたもう一つの驚くべき発見は、太陽風の加速だった。太陽風は、太陽から吹き出している陽子や電子、その他の粒子の外向きの流れである。
 太陽の近くでは、この太陽風が太陽磁場によって太陽の自転と同じ方向に引っ張られることが知られていた。そのため太陽から離れると、この作用が弱まるだろうと、研究チームは予想していた。
 ミシガン大のジャスティン・カスパー教授は、「非常に驚いたのは、探査機が太陽の方向に向かっていた時点ですでに、大規模な旋回流が検出されていたことだ。その規模は太陽の標準的なモデル予測よりも10~20倍も大きかった」と述べる。
 「太陽と太陽風の吹き出しの仕組みに関して、根本的な何かが見逃されている」
 カスパー教授はまた、「これは非常に大きな意味合いを持っている。コロナ質量放出(CME)の地球への影響、さらには月や火星へと向かう宇宙飛行士への影響の予測には、この旋回流を考慮に入れる必要がある」と指摘している。【翻訳編集AFPBBNews】

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