やまぬ信徒の性被害=守られる司祭、実態把握進まず
聖職者による性的虐待をめぐっては、加害者の神父らが教会の権威に守られる一方で、被害者が泣き寝入りすることも多い。フランシスコ・ローマ法王が「痛みと恥をもって認め、糾弾する」と訴え、対策に力を入れる中、国内では実態把握すら進んでいない。
2002年の米紙報道を機に世界各地で噴出した聖職者の性的虐待問題。日本でもカトリック中央協議会などが02年と12年に調査を実施し、聖職者や修道者による子どもへの性的虐待が国内でもあったことが判明した。
信徒110人が回答した04年のアンケート調査では、教会などでのセクハラについて約7割が「あると思う」と答えた。犯罪性の極めて高いハラスメントを含め、身体的接触を強要された深刻なケースは17件。ほとんどの場合、大人の女性が告解や瞑想(めいそう)の場で被害に遭っていた。
こうした実態が表面化しにくい背景について、同協議会は「教会にはセクハラは存在しないという一般的な思い込みがある」「相談を受けた人が『身内の恥は隠すべきだ』と組織防衛を最優先にする」と分析する。
同協議会は今年6月、聖職者による未成年への性的虐待について調査したが、大人の信徒が被害者となったケースの実態把握は進んでいない。第三者機関などに依頼せず、教会側が自ら調査する手法への批判もあり、関係者は「危機感が足りていない」と訴えている。
[時事通信社]
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