2019-09-20 09:06World eye

クリーンエネルギーへの移行、石油依存から抜け出せない湾岸諸国

【アブダビAFP=時事】アラブ首長国連邦(UAE)アブダビで先週、世界エネルギー大会(WEC)が開催された。冷房の利いた広大な会議場に集まった150か国の代表者と400社を超える企業の最高経営責任者(CEO)らが口々に語ったのは、クリーンエネルギーへの移行だった。≪写真は、世界エネルギー大会で発言をするサウジ・アラムコのアミン・ナセル最高経営責任者≫
 会議に出席した高官の多くは、クリーンエネルギーへの移行を加速して二酸化炭素の排出量を最小限に抑えるべきだと主張した。だが、石油に依存するペルシャ湾岸諸国の代表者の多くは、クリーンエネルギーへの移行は不可欠だと認めながらも、気候変動との闘いは喫緊の課題であるとはいえ、少なくとも今後数十年は化石燃料が使用され続けると主張した。
 化石燃料は現在、世界のエネルギー消費の4分の3以上を占めている。会議ではこれに代わるエネルギー源として、原子力や水素、その他の非従来型エネルギー源の役割について論じられた。
 しかし、湾岸諸国を中心とする石油産出国の代表者は、クリーンエネルギーへの移行を支援すべきだとしながらも、増え続ける需要にすぐに対応することは不可能だと反論している。
 アブダビ石油のスルタン・ジャベルCEOは「今後数十年間は、世界は依然として主要なエネルギー源を石油とガスに頼るだろう」「現在の需要予測に追い付くためには、石油およびガスに約11兆ドル(約1200兆円)の投資が必要だ」と述べた。
 今月発表された国連の報告書によると、開発競争が激化している再生可能エネルギーの使用量は、この10年間だけで4倍に伸びた。だが、発展途上経済を中心にエネルギーの需要が高まり、電力部門での炭素排出量は10パーセント増加している。
 ■石油依存
 石油は今も湾岸諸国にとって生命線となっており、同地域全体の収入の70パーセント以上を占めている。その一方で、太陽光発電や原子力発電を中心とするクリーンエネルギー事業に対しても多額の投資が行われている。
 UAEのドバイは136億ドル(約1兆4700億円)を投じ、世界最大の太陽光プロジェクトを立ち上げた。2030年に稼働すれば、UAEの現在の電力需要の4分の1を満たすことになる。
 だが、石油への依存を断ち切ることは難しいと専門家らは指摘する。特に、石油供給が豊富にあることや、再生可能エネルギーに移行するため巨額のインフラ投資が必要となることなどが、こうした地域に二の足を踏ませているという。
 国際環境保護団体グリーンピース中東支部のジュリアン・ジュレイサティ氏は、「有害な化石燃料から再生可能エネルギーへの世界的移行は、経済的にも技術的に実現可能だ。足りないのは、政治的意思だけだ」と指摘する。
 過去10年間で重要な技術的進歩があったにもかかわらず、世界の電源構成のうち再生可能エネルギーが占めるのはわずか18パーセント前後にすぎない。原発は6パーセントに上る。
 世界エネルギー大会を主催する世界エネルギー会議によると、世界全体のエネルギー需要は2020年から2025年の間にピークに達する。アブダビの会議では、「破壊的な」技術革新によりエネルギー源の移行を加速すべきだとの声が上がった。【翻訳編集AFPBBNews】

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