2019-09-15 08:01スポーツ

松尾さん、SO田村に注目=日本人選手の奮起期待―ラグビーW杯・OBらの助言

 20日に開幕が迫るラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会。地元開催の大舞台で躍進を狙う日本代表に、代表OBやサッカー・W杯日韓大会の経験者が助言を送った。
 ◇ベスト8なら大快挙
 1978~84年度にラグビー日本選手権7連覇を達成し、「北の鉄人」と呼ばれた新日鉄釜石の中心選手だった松尾雄治さん(65)は日本で開催されるW杯を心待ちにしている。「自分が現役の頃にW杯はなかったけど、日本は世界で最下位と言っていい時代。いろいろな人がラグビーを見てくれるのはうれしいこと」と喜んでいる。
 日本代表の司令塔としても活躍。83年のウェールズとのテストマッチでは、敵地で24―29の接戦を演じた。それだけに世界との戦いに向け、「簡単に勝てるものではない。(初戦で当たる)ロシアだって強い。ベスト8に行けたら大快挙」と厳しい目を注ぐ。
 今では多くの外国出身選手が日本代表に加わり、相手に力負けしないプレーもできるようになった。しかし、「日本のお家芸とも言えるパス回しを大事にしてほしい。日本人選手にも、もっと活躍してほしい」と注文も。注目するのは自身と同じSOの田村(キヤノン)。「最近は自信を持ってプレーしている。彼に懸かってくる部分は大きいんじゃないかな」と評価する。
 厳しい言葉も日本代表への愛着があればこそ。自身はアマチュアとして、代表でプレーすることを名誉に感じていたという。「誇りを持って戦って、初めて見る人にも素晴らしいスポーツだと思ってもらえるような試合をしてほしい」。W杯を通じ、ラグビーの魅力が広く伝わることを期待している。
 ◇ベスト8は実現可能=最多キャップの大野選手
 日本代表で歴代最多の98キャップを誇るロックの大野均選手(東芝)は2007年から3大会連続でワールドカップ(W杯)に出場。4年前のイングランド大会で、大金星を挙げた南アフリカ戦にも先発出場した。今回日本が掲げるベスト8の目標について、大野選手は「昔は夢と言われたが、実現可能な目標になった」と言い切る。
 前回の南ア戦では、開始から日本のタックルがよく決まり、互角に渡り合った。「ミスが少なく、自分たちがいい状態で試合ができていると客観的に感じることができた」。当時のエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)の下、ハードな合宿を重ねてきたという自信があったから「練習はうそはつかないと思った」という。
 試合終了間際の劇的な逆転勝ち。結局3勝したが、勝ち点で及ばす1次リーグ3位で8強入りはならなかった。今回も、格上のアイルランドかスコットランドを倒さなければ目標は達成できないだろう。大野選手は「相手を過大評価しないこと。南ア戦のようにやってきたものを全部出し切れば結果はついてくると信じてやることが大事」。
 ジェイミー・ジョセフHC率いる現代表も厳しい合宿で鍛えてきた。地元開催の重責と向き合う後輩たちに「ラグビー選手としてのピークと、日本開催のタイミングが合うなんて本当に一生に一度のこと。プレッシャーも全てプラスに変えて力にしてほしい」とエールを送った。
 ◇森島氏「思い切り、悔い残さず」=サッカーW杯日韓大会で活躍
 2002年のサッカー・ワールドカップ(W杯)日韓大会。日本の決勝トーナメント進出が懸かった1次リーグのチュニジア戦で、現在J1のC大阪社長を務める森島寛晃氏(47)は日本のサッカー史に残るシュートを決めた。
 場所は慣れ親しんだホームの長居陸上競技場。「絶対にシュートを打ってやろうと思った。なぜか、何もためらわずに腰が勝手に回転した」。思いもよらぬ力が働いたという。「常にあのシュートを打てる技術を持っていたら、Jリーグで200点以上取ってますよ」と笑った。
 自国開催。もちろん重圧を感じての戦いだったが、それ以上に地の利を感じることが多かった。「ファンが相手チームにプレッシャーをかけてくれた。あとは景色。青に染まった雰囲気はなじみがあってやりやすかった」。あの大会で感じたこと―。「日本開催って人生で1度あるか、ないか。その中で思い切り、悔いを残さずに精いっぱいやるのが本当に大事だと思った」
 競技は違っても、ラグビー日本代表には注目している。特に3大会連続出場が懸かるSH田中史朗(キヤノン)には「親近感がわく」という。「僕自身、背が小さいので。でかい人の中で、時には自分でボールを持ってぶつかっていく。動きだしを工夫したりしてね」
 自身は日本初の決勝トーナメント進出に貢献した。同じ道筋をラグビーにも期待する。「僕らの時も声援が勢い、力に変わった。今回の代表もそういったパワーをもらって、ベスト8という新しい景色を見てほしい」と願う。 
[時事通信社]

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