2019-07-11 17:04TOPICS

イラン、「報復」で暴走も=核・タンカーで態度硬化

4日、英領ジブラルタル自治政府によるイランのタンカー拿捕(だほ)を支援する英海兵隊=ジブラルタル沖(AFP時事)
4日、英領ジブラルタル自治政府によるイランのタンカー拿捕(だほ)を支援する英海兵隊=ジブラルタル沖(AFP時事)

 【テヘラン時事】イランが核合意履行停止をめぐる対立に加え、英領ジブラルタル沖合でのイランのタンカー拿捕(だほ)に対しても態度を硬化させている。ホルムズ海峡では10日、イラン精鋭部隊による英石油タンカー拿捕未遂が報じられた。イランでは緊張の高まりに伴い、反欧米の保守強硬派の勢いも強まっており、指導部の統制が及ばない挑発行動の激化が懸念される。
 米CNNなどによると、イランの革命防衛隊のボートが10日、英タンカーに接近し航路変更やイラン領海での停船を命令。護衛中の英海軍フリゲート艦の警告でボートは引き下がったとされる。
 ロウハニ大統領はこれに先立ち「(英国は)結果を思い知るだろう」とけん制しており、未遂が事実とすればジブラルタル沖でのタンカー拿捕の報復を試みた可能性がある。一方、革命防衛隊は11日、「過去24時間で外国船舶と対峙(たいじ)した事実はない」と否定。真相は不明だ。
 ホルムズ海峡付近では6月中旬、日本の海運会社が運航するタンカーが攻撃され、米国が革命防衛隊の犯行の証拠とする動画を公開した。これに対し、関与を否定するイランは同20日、革命防衛隊が「領空侵犯」を理由に米無人偵察機を撃墜。トランプ米大統領が対イラン報復攻撃を一時承認する事態となった。
 革命防衛隊は、最高指導者ハメネイ師直轄の軍事組織。欧米との対話を探るロウハニ師ら穏健派の意向には左右されず、強硬派の牙城だ。サラミ司令官は「態度を見れば、戦争を恐れているのは敵だ。どんな戦いにも負けることはない」などと主張。緊迫の度が増すにつれ、高まる主戦論をロウハニ師らも無視できなくなりつつある。
 取材に応じた革命防衛隊のカナニモガダム・ホセイン元司令官は、「防衛隊には領海や領空が侵されたら直ちに対応する命令が常に出されている」と話す。米軍のダンフォード統合参謀本部議長が9日に計画を示したホルムズ海峡などで海上警備を担う有志連合が結成されれば、イランの反発は必至。米国を中心とした「イラン包囲網」強化を口実に、強硬派が暴走する恐れも排除できない。 

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