2019-04-24 13:57World eye

「倫理的」高級ジュエリー、環境に配慮した金を利用

【パリAFP=時事】高級貴金属製品にトレーサビリティー(生産・流通過程の追跡可能性)を求める消費者の声に応え、信頼できる供給者から調達した環境に配慮した金やリサイクルされた金の使用を徹底するジュエリーブランドが出てきている。≪写真は仏パリのエシカルゴールドを扱う工房で制作されているジュエリー≫
 スイス・ジュネーブを拠点とする高級ジュエリーブランド「ショパール」は昨年、大手ジュエリーブランドで初めて「100%エシカル(倫理的)」な製品を提供すると表明した。
 カンヌ国際映画祭コンペティション部門最高賞パルムドールのトロフィーの制作も手掛ける同社は、貴金属の採掘時に環境への負の影響を最小限に抑えるために設けられた厳しい基準を満たす、認証済みの業者とのみ取り引きするとしている。
 金を対象とした「責任ある」採掘のための認証や規格は多数存在するが、中でも二つの認証が主流となっている。一つは、コロンビアのNGOによるフェアマインド認証で、もう一つはスイスのマックス・ハーフェラー財団による、より知名度の高いフェアトレード認証だ。
 両認証とも、環境を考慮した方法を取り入れている小規模の採掘者を支援するとともに、採掘者に対する適切な労働環境と賃金の提供を求めている。
 だが、こうした方法による採掘量は限られており、年間わずか数百キロにとどまっている。一方、世界全体の金の採掘量は年間約3300トンに達している。
 トレーサビリティーを考慮するジュエリーメーカーは、自社のエシカル製品の製造工程におけるすべての供給が追跡可能で、そのような供給がサプライチェーン全体の規格を定めた非営利団体「責任ある宝飾のための協議会(RJC)」の認証を受けている企業からのものかどうかを厳しく確認している。
 RJC加盟者は、貴金属業界全体における倫理や人権、社会的慣習、環境に配慮した慣行についての厳しい基準に従わなければならない。
 ■電子廃棄物の利用も
 仏高級ブランド「ケリング」で宝飾品の持続可能性に関する部門の責任者を務めるクレール・ピロッディ氏は、「フェアマインドやフェアトレードの認証を受けた金の割合を最大化しようとしているが、生産量がわずかしかないにもかかわらず需要は大きい。このためわが社で仕入れる金の大半は、RJCのCoC(加工・流通過程の管理)認証を受けたリサイクルされた金となっている」と話す。
 フェアマインド認証やフェアトレード認証を受けた金は「価格が約10~12%高いが、リサイクルされた金に上乗せされている価格はほぼない」と言う。
 昨春に立ち上げられたばかりのブランド「クルベ」はさらに先を行き、電子廃棄物や産業廃棄物から回収した貴金属のみを使った製品を販売している。
 同社の共同創設者でアート部門責任者のマリーアン・ワハトマイスター氏は、「私たちは採鉱や、最近採掘された金の使用に反対している。埋蔵量の半分以上はすでに採掘されているからだ」と述べた。
 ワハトマイスター氏は「採掘場の鉱石1トンに含まれる金は5グラムほどだが、電子廃棄物1トンからは200グラムの金が回収できることもある」と付け足した。
 ■金の削りくずも活用
 一方、仏パリで1886年に創業したジュエリーメーカー「ポンス」は、RJC認証を受けたリサイクルされた金のみを扱っている。
 同社のティエリー・ルメール社長は、「良い仕事をしたいと思うなら、すべてを完璧に行い、自然に敬意を払わなければならないという論理がこの背景にある。今はサプライチェーン全体が標準化されたので、それが可能となった」と話す。
 「毎週金曜日に大掃除をする。目の細かいくしを持って工房に行き、(金の)小さなかけらや削りくずを拾い集める」とルメール氏は話す。
 「何一つ無駄にはしない。真に高潔なサプライチェーンだ」【翻訳編集AFPBBNews】

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