作業環境の改善進む=増える汚染水タンク-福島第1原発を取材

東日本大震災発生から来月で8年になる。事故を起こした東京電力福島第1原発では、溶け落ちた核燃料(デブリ)の調査など収束に向けた作業が続く。1月末に構内を取材した。
1号機から4号機を、西に100メートル離れた高台から見渡した。外観は1年前の取材時と大きな変化はないが、原子炉格納容器の内部調査など建屋内の作業は進んだ。
欠かせなかったマスクも今回は不要に。地面の舗装や除染が進み、放射性物質の飛散がなくなったためだ。構内の作業環境は改善が進み、防護服が必要な場所は敷地面積の約4%に縮小。多くの場所が使い捨てマスクのみで作業可能となった。
2号機と3号機の間の道路も、昨年5月から防護服が要らなくなった。昨年は車で走り抜けたが、今回は降りることができた。間近に見た3号機建屋の外壁には、「津波で流された物がガリガリと当たった」(東電広報担当の阿部賢治さん)という筋状の痕跡も。防護服不要とはいえ周囲の放射線量は毎時約250マイクロシーベルトあり、4時間いると一般人の年間被ばく限度に達する。
構内では汚染水を保管する高さ約10メートルのタンクが至る場所で目に付く。水漏れの恐れが少ない新しいタイプで、東電は継ぎ目のある従来型からの交換を進めている。
東電が2020年末までに用意できるタンクは137万トン分だが、汚染水を浄化装置に通した処理水は増え続け、既に約99万トンに上る。
国はトリチウム以外の放射性物質をできるだけ取り除いた上で、海洋や大気中への放出を検討している。反対の声は根強いが、阿部さんは「敷地にも限界はあり、何らかの方法で処理ができた方がよい」と理解を求めた。


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