「最も優秀」な投資家=財務長官指名のベッセント氏―次期米政権
35年以上の投資ビジネスの経験を持ち、今回の米大統領選では顧問として、トランプ次期大統領が演説で訴えた経済・財政政策の「知恵袋」的な存在だった。トランプ氏は「(金融の中心地)ウォール街で最も優秀な一人」と評価する。
1962年、南部サウスカロライナ州生まれ。エール大卒。ジャーナリスト志望だったが、著名投資家ジム・ロジャーズのインターンとなり、投資の世界に飛び込んだ。その後、著名投資家ジョージ・ソロス氏に師事。2011~15年、同氏のファンドの最高投資責任者(CIO)となった。
92年の英通貨ポンド危機で、ソロス氏が仕掛けた金融史上名高い大規模なポンド売りに携わった。また、安倍晋三元首相の経済政策「アベノミクス」の下で進行した円安により巨額の利益を得た。主要通貨取引で巨利を稼いできたファンドマネジャーが今度は、基軸通貨ドルの政策を担うことになる。
トランプ氏とはそれほど親しい関係ではなかったが、今回の大統領選をきっかけに急接近。米メディアのインタビューで、選挙戦に深く関与している理由について「米国が膨大な債務から脱し、成長を遂げる最後のチャンスだ」と語っていた。財政赤字を国内総生産(GDP)の3%に抑制するとともに、規制緩和を通じて3%の経済成長率と日量300万バレルの石油増産を目指す「3・3・3」を唱える。
11年に元ニューヨーク市検事のジョン・フリーマン氏と同性婚。子供が2人いる。
[時事通信社]
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