新型ステルス戦闘機「殲35」初公開=珠海航空ショーが開幕―米国意識し、最新兵器誇示・中国
【珠海(中国広東省)時事】中国広東省珠海市で12日、中国国際航空宇宙博覧会(珠海航空ショー)が開幕した。会期は17日までで、新型ステルス戦闘機「殲35」や弾道ミサイル防衛システム「紅旗19」といった最新兵器を初めて一般公開。台湾や南シナ海を巡り米国や周辺国との緊張が高まる中、最新兵器を相次いで公開し、中国の軍事力を世界に誇示した。
殲35は午前11時(日本時間正午)ごろ、会場の上空に飛来。わずかな時間で飛び去ったものの、会場付近で高度を上げるパフォーマンスを見せ、存在感を示した。殲35は空母艦載機などとして運用されるとみられ、輸出も想定されている。会場には模型が展示され、外国人を含む多くの人が集まっていた。殲35の開発者は中国メディアの取材に「多くの領域で進歩と革新を成し遂げた」と話した。
会場上空では中国が既に実戦配備したステルス戦闘機「殲20」のデモ飛行も披露された。中国メディアによると、殲35の配備により、中国は米国に続いて2種のステルス戦闘機を運用することになる。
一方、紅旗19は、米軍の迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」に相当するという見方がある。中国メディアは「通常の弾道ミサイルだけでなく、極超音速兵器にも対抗できる」と主張している。
このほか、ステルス無人機「彩虹7」の実機も初展示。ロシアの最新鋭ステルス戦闘機「スホイ57」も登場し、中ロの軍事的連携をアピールした。
今回のショーでは公開されていないが、中国は核弾頭が搭載可能なステルス戦略爆撃機も開発中とされる。習近平政権は、米軍に対抗できる「世界一流の軍隊」の建設を目指しており、武力による台湾統一の可能性を排除していない。最新兵器の開発を進め、台湾を支援する米国をけん制する構えだ。
隔年開催の珠海航空ショーは、中国を代表する航空イベント。2023年に商業運航が始まった中国初の国産中型ジェット旅客機「C919」も展示された。
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