プエルトリコは「ごみの島」=トランプ氏集会で差別発言―米大統領選に影響も
【ワシントン時事】米共和党のトランプ前大統領が27日に開いた選挙集会で、応援演説に立ったコメディアンのトニー・ヒンチクリフ氏が米領プエルトリコに対する差別的な発言を行ったことが波紋を広げている。同氏は「海の真ん中にごみの島がある。プエルトリコだ」と語った。プエルトリコ系の有名人らは一斉に反発。これをきっかけに民主党のハリス副大統領への支持を表明する動きが出ており、11月5日の大統領選に影響する可能性もある。
集会で、ヒンチクリフ氏はスペイン語を話す人々をさげすむ発言も繰り返した。これを受け、プエルトリコにルーツを持つ人気歌手のジェニファー・ロペスさんやバッド・バニーさんはSNSでハリス氏への支持を明言。プエルトリコ系住民が多く暮らすフロリダ州選出のリック・スコット上院議員(共和)も「笑えないし、事実でもない」と非難した。
ハリス氏は28日、激戦州で新たな広告を出し、「トランプ氏は(プエルトリコを)見捨て、侮辱した。プエルトリコの人々はもっと良い待遇を受けるにふさわしい」と訴え始めた。トランプ氏陣営は「(トランプ氏の)見解を反映していない」との立場を示す一方、ヒンチクリフ氏はX(旧ツイッター)で「(批判する人々は)ユーモアのセンスがない」と開き直っている。
カリブ海に浮かぶプエルトリコは1898年の米西戦争で米領となった。約320万人の住民の大半はスペイン語を話す。大統領選の選挙権はないが、激戦の東部ペンシルベニア州などにプエルトリコ系住民のコミュニティーがある。
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