2024-10-22 04:45社会

警察官、拳銃構え制圧=男抵抗せず、両手上げ投降―ガソリンに引火寸前・官邸突入

首相官邸前のバリケードに突っ込んだ車両(一部画像処理をしています)=19日午前、東京都千代田区

 自民党本部と首相官邸が相次いで襲撃された事件で、職業不詳臼田敦伸容疑者(49)が官邸前で逮捕された際、警察官が拳銃を構えて制止させ、臼田容疑者は抵抗せずに手を上げて投降していたことが22日、捜査関係者への取材で分かった。
 臼田容疑者は当時、ガソリンを積んだ車に火を付けていたとみられ、警視庁は警察官の対応が遅れていれば被害が拡大する恐れがあったとみて、当時の詳しい状況を調べている。
 捜査関係者などによると、臼田容疑者は首相官邸前の進入阻止用の柵に車で突入後、降車して発煙筒のような物を複数本、投げた。その後、何らかの方法で車内に火を付けたとみられるが、この際に現場にいた警察官が同容疑者に向け拳銃を構えたという。
 これを見た臼田容疑者は両手を上げ、抵抗することなく投降。公務執行妨害容疑で現行犯逮捕された。車内にはガソリン入りのポリタンクが16個積まれており、同容疑者はガソリンに引火させようとした可能性がある。車は一部が燃えたが、すぐに消し止められた。
 臼田容疑者は19日朝、自民党本部前に車で乗り付け、警戒中の機動隊員らに液体を噴射した上、火炎瓶のような物を5本ほど投げた。その後、約650メートル離れた首相官邸前に向かった。いずれの襲撃時もガスマスクと防護服を着用していたという。
 警視庁は同容疑者宅からパソコンやガラス瓶25本などを押収。事件に至った経緯や火炎瓶の入手、製造方法の特定を急いでいる。同容疑者は調べに黙秘を続けている。 
[時事通信社]

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