2024-09-27 18:48TOPICS

御嶽山噴火から10年で追悼式=発生時刻に黙とう―長野

御嶽山噴火災害の追悼式で、噴火発生時刻に黙とうする遺族ら=27日午前、長野県王滝村の松原スポーツ公園(代表撮影)

 死者58人、行方不明者5人を出し、戦後最悪の火山災害となった御嶽山(長野・岐阜県境、3067メートル)の噴火から10年を迎えた27日、麓の長野県王滝村の松原スポーツ公園で、犠牲者の追悼式が開かれた。噴火発生時刻の午前11時52分に合わせ、遺族らが黙とうをささげた。
 追悼式は同県木曽町と王滝村が主催し、遺族や地元関係者ら70人が出席した。
 式典では、遺族を代表して小学校教員松井登輝也さん(27)=神戸市=があいさつ。父貞憲さん=当時(47)=を亡くした松井さんは「このような思いを教え子にはしてほしくない。父の思いを生きた教科書として伝えていくことが、私に与えられた使命だと思う」と話した。
 長野県の阿部守一知事は「わが国を代表する山岳県として火山防災対策の充実に努め、安全に登山をしてもらえるよう取り組んでいく」と述べた。
 参列した野口弘美さん(66)=同県安曇野市=は、亡くなった夫の泉水さん=当時(59)=が登山時に履いていた靴を慰霊碑の前に供えた。「あの靴を履いて家に帰ってきてほしかった」と語った。
 御嶽山は2014年9月27日に噴火し、噴石などが登山者らを襲った。紅葉シーズンを迎える週末の昼だったことから、山頂付近に登山者が多く、被害が拡大した。 

御嶽山噴火から10年の追悼式で、遺族代表としてあいさつする松井登輝也さん=27日午後、長野県王滝村の松原スポーツ公園(代表撮影)
御嶽山噴火災害の追悼式で追悼の辞を述べる阿部守一長野県知事=27日午後、同県王滝村の松原スポーツ公園(代表撮影)
御嶽山噴火から10年の追悼式で、慰霊碑に手を合わせる参列者=27日午後、長野県王滝村

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