最低賃金、50円増を答申=1000円台は16都道府県―厚労省審議会
中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)は25日、2024年度の最低賃金について、過去最大の50円を目安に引き上げるよう武見敬三厚労相に答申した。物価高や歴史的な高水準だった24年春闘の賃上げ状況を背景に、新たに8道県の最低賃金が1000円台に達し、大台乗せは16都道府県に増える。
目安額は経済情勢に応じ、各都道府県をA~Cの3ランクに分けて提示される。連合は地域間の賃金格差是正に向け、都市部のA地域よりも地方のB・C地域の目安額が上回るよう求めてきた。しかし、目安は3ランクすべてで50円の引き上げとなり、仁平章総合政策推進局長は24日の記者会見で「(今後の)地方審議に期待したい」と発言。今回の目安額を参考に実際の引き上げ額を決める各都道府県の審議会での議論に望みを託した。
一方、日本商工会議所によると、業績改善を伴わないまま賃上げを迫られた中小企業は6割に上る。経営者側はこれまでの協議で「価格転嫁や生産性向上は過渡期にある」として過度な賃上げに配慮を求めてきた。このため、答申では企業の生産性を高める税制や補助金による支援、価格転嫁の実効性確保などを政府に一層求めることで決着した。
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