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皇室伝達まで待機か=新元号「令和」発表、謎の11分

2019-04-03 18:53

新元号「令和」が決まった1日、日本中が注目した菅義偉官房長官による発表は予定より11分遅れの午前11時41分に始まった。新元号が天皇陛下と皇太子さまに伝えられるのを待ったのが理由とみられる。安倍晋三首相の支持基盤である保守派に配慮し、改元の政令が御所に届くのを待ったとの見方も出ている。
1日の一連の手続きは、事前に心配された衆参両院正副議長からの意見聴取を含め、順調に進んだ。政府にとって想定外だったのは全閣僚会議で閣僚から発言が相次ぎ、時間を20分近く要したことだ。それでも、臨時閣議は午前11時25分に終わり、同30分からの発表は可能だった。
政府は空白の11分間について「手続きを待っていた」(高官)としか説明していない。この「手続き」は天皇陛下と皇太子さまへの新元号伝達だったとの見方が大勢だ。
閣議直後の同26分、宮内庁の山本信一郎長官の部屋の電話が鳴った。電話をかけた杉田和博官房副長官は、新元号が令和だと伝え、「陛下と皇太子殿下にお伝え願いたい」と要請。山本氏は新元号を紙に書き取ると、元赤坂の東宮御所で待機していた西村泰彦次長に内容を連絡し、自らも紙をポケットに忍ばせ車に飛び乗った。既に同31分になっていた。
山本氏が御所に到着したのは同35分ごろとみられる。山本氏は陛下に、西村氏は皇太子さまにそれぞれ手書きの紙を見せ、新元号は令和になったと説明。同40分までに、両氏は前後して杉田氏に電話し、「ただいま報告した」と伝えた。菅長官が記者会見場に姿を見せたのはこの直後だった。
山本氏は、伝達完了の連絡を受けて新元号発表のゴーサインが出たのかとの記者団の質問に「そうだと思う」と答えている。
一方、閣僚の一人は「発表が遅れたのは空撮のせいだ」と言い切った。首相官邸を出発した公用車2台が政令を皇居へ運ぶ様子をテレビ局が空撮・生放送。天皇陛下による政令への署名・押印を重視する保守派の反発を招かないよう、同35分の公用車の御所到着まで発表できなかったとの見方だ。宮内庁は署名・押印の時刻を明らかにしておらず、真偽は不明だ。
[時事通信社]

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