特集


安倍政権、沖縄の民意と溝=辺野古堅持、軟弱地盤で攻防も

2019-02-25 18:16

政府は25日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐり、県民投票で示された「反対」多数の民意に逆らう形で、埋め立て工事続行の方針を明確にした。埋め立て海域で軟弱地盤の存在も明らかになり、県民や野党の反発が強まるのは確実。政権内には4月の衆院沖縄3区補欠選挙や夏の参院選への逆風になるとの懸念も出ている。
県民投票で反対は43万4273票に上り、投票総数の7割を超えた。政権の支援を受ける市長を抱える宜野湾、名護両市も含む全41市町村で反対が賛成を上回り、焦点だった投票率も52.48%だった。結果に法的拘束力はないが、玉城デニー知事は25日の県議会で「民意は示された」と明言。3月1日にも予定される安倍晋三首相との面会で、移設計画の見直しと工事中止を求める考えだ。
だが、政府と県に歩み寄りの兆しは見られない。政府は25日も工事を継続。首相は同日の衆院予算委員会で「結果を真摯(しんし)に受け止め、政府として基地負担の軽減に全力で取り組んでいく」と強調しながらも、移設計画の推進を表明。普天間の危険性除去のため「先送りは許されない」と訴えた。
立憲民主党の枝野幸男代表が質疑で「埋め立ては中止すべきだというのが圧倒的な多数だ」と迫ったが、首相は「辺野古に(代替施設を)造らないとなれば普天間はそのままになる」と従来の主張を繰り返した。
今後の焦点の一つが、埋め立て海域で見つかった軟弱地盤の存在だ。政府は地盤改良のため、約7万7000本のくいを打ち込む案を検討しているが、岩屋毅防衛相は25日の予算委で「しかるべき時期に説明したい」と述べ、具体的な答弁を避けた。設計変更には県の承認が必要だが、玉城氏は認めない考え。いずれ法廷闘争に持ち込まれるとの見方が強まっており、工事が長期化する可能性もある。
枝野氏は記者団に「どれくらいの工期と費用がかかるのか立ち止まって検証する必要が明確になった」と指摘。共産党の小池晃書記局長も記者会見で「まともに政府は答えられない」と批判した。
政府が工事を続行すれば、県民の怒りが広がるのは必至。衆院補選、参院選への影響について、自民党関係者は「引き続き厳しい」と認めた。
[時事通信社]

その他 特集記事