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躍起の反対派、動かぬ容認派=「民意」めぐり思惑交錯―沖縄県民投票・現地ルポ

2019-02-20 06:12

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設の是非を問う24日の県民投票が迫ってきた。玉城デニー知事ら「オール沖縄」勢力が反対の民意を示そうと全力を挙げる一方、自民党は投票率を抑えようと静観を決め込む。ただ、同党の一部は別行動を取るなど一枚岩でなく、「民意」をめぐる思惑は交錯している。
◇テレビCMも展開
「職員の皆さんが広報マンとして積極的に広報活動を行い、県民投票を盛り上げていこう」。玉城氏は18日、毎週恒例の庁内放送でこう語り、職員や来庁者に県民投票への参加を促した。
県民投票条例は知事の広報活動について、「客観的かつ中立的に行う」と定めているため、反対を呼び掛けることはできない。このため、玉城氏は投票率向上を目的とした広報に専念。告示の14日には自ら街頭でチラシ配りを行った。
県民投票の県予算は約5.5億円。このうち広報費用に約1.3億円を充てた。県内では大々的にテレビCMも展開、投票の機運を盛り上げようと躍起だ。
反対派の実動部隊は主に、県政与党の社民、共産両党や労組などが担う。告示前から約60万枚のチラシを県内全戸に配布、約7000枚の看板を各地の電柱に据えた。条例で知事が結果を尊重しなければならないと定める全有権者の4分の1(約29万票)以上の反対票獲得を目指す。
投票率底上げのため、期日前投票での票の掘り起こしにも余念がない。19日も陣営関係者が雨の降りしきる南風原町の街頭で投票を呼び掛けた。
ただ、現場を奔走する市議の一人は「集会をやっても支援者しか集まらない」とこぼす。ある県議も「昨年の知事選ほど盛り上がっていない」と不安げだ。投票率や反対票の伸び悩みを招けば「民意」が離れたとの指摘を受けかねず、反対派には焦りもにじむ。
◇投票に触れず
「参院選へ力添えをお願いしたい」。自民党沖縄県連の島袋大幹事長は15日、那覇市内で行われた同党参院選候補の後援会事務所開きでこうあいさつしたが、県民投票には一切触れなかった。
自民党は賛成票をまとめても勝ち目はないと見て、今回は自主投票とし、事態を「静観する」ことにした。その狙いを県連幹部は「投票率が下がれば、移設阻止の『民意』を訴える玉城氏の説得力が弱まる」と明かす。
このため、積極的な投票呼び掛けなどの活動を「封印」。公明党、日本維新の会も同様の対応で足並みをそろえる。
一方、意思表示を促す独自の動きも出ている。
自民党県連常任顧問の西銘恒三郎衆院議員は「賛成・全面返還・普天間飛行場・自民党」と書かれたのぼり旗を自身の選挙区内に設置。西銘氏は「(投票に)行く人は賛成と書いてくれというシグナルだ」と話す。
県連内には困惑する空気も漂うが、今のところ止めに入る動きはない。
[時事通信社]

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